[東京 22日 ロイター] – 日立製作所の子会社、日立Astemo(アステモ)は22日、ブレーキやサスペンションの部品を生産する際に、必要な検査を一部実施していなかったことが判明したと発表した。出荷前に行われた他の検査やデータによる性能評価などを通じて、安全性に問題がないことは確認済みだという。

不正があったのは山梨工場(山梨県南アルプス市)と福島工場(福島県桑折町)。山梨では2003年10月から今年3月までの間、ブレーキを構成する5製品の約5万7000件について、検査を実施せず報告書に虚偽のデータを記載していた。

福島工場では2000年ごろから今年10月までの間、サスペンション4製品の約1000万本弱で規定に適合しない基準を用いて検査を行うなどして、本来であれば不合格となる製品を出荷していた。

会見したブリス・コッホCEOによると、不正検査のあった部品の納入先は2工場合わせて16社。具体名は伏せたが、大半が日系の完成車メーカーと大手部品メーカーだという。商用車に部品が使われた例は見つかっていない。

同社は社外弁護士による特別調査委員会を設置し、来年半ばにまでに事実関係の詳細や原因を究明し、再発防止策を策定するとしている。「安全性に問題がないことは確認できたが、不正が引き継がれてきたのは事実。意図的なのか認識不足なのか等も含め、調査委員会にすべて明らかにしてもらう」(コッホCEO)という。