[モスクワ/ロンドン 27日 ロイター] – ロシアでは27日、ウクライナ侵攻を巡る欧米の相次ぐ制裁で現金不足に陥り、引き出しや決済ができなくなると懸念した市民がATMの前で長蛇の列を作った。ロシア当局や各行は不安解消に努めている。

米国、英国、欧州、カナダは26日、ロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意。ロシア中央銀行の外貨準備の使用も封じる見通しで、同国経済への打撃は大きいとみられる。

サンクトペテルブルクに住むピョートルさんは「24日以降、みんなATMを走り回って現金を引き出そうとしている。ラッキーな人は引き出せているし、思うほど引き出せていない人もいる」と話した。

SWIFTから締め出されたロシアの銀行は海外の銀行とやり取りできなくなるが、アナリストはロシア中銀の6300億ドルを超える外貨準備の使用制限の方が影響が大きいと指摘する。

米国在住の元ロシア中銀副総裁、セルゲイ・アレクサシェンコ氏は、ロシアの政府系ファンド(SWF)が事実上消滅することになると指摘。「プーチン大統領とクドリン(元財務相)は大規模戦争を念頭に、何年もかけてSWFを構築した。戦争が発生したが、金はない」と述べた。

一方、外国為替市場ではルーブルに対する他通貨の提示レートが急騰。25日終値が1ドル=83ルーブルだったのに対し、27日に一部銀行は100ルーブルを上回るレートを提示した。

ロシアの最大手銀行ズベルバンクは自行や提携先の決済システムで顧客の取引に問題は見られていないと説明。国営開発対外経済銀行(VEB)は海外から制限が課せられても国内プロジェクトの支援を停止することはないと表明した。

ロシアのカシヤノフ元首相はツイッターに「最も重要なのは、西側が中銀の外貨準備を凍結していることだ」と投稿。「ルーブルを支えるものが何もないが、通貨印刷は続く。ハイパーインフレや経済の大惨事はそれほど遠くない」と警告した。

外貨準備の凍結について中銀にコメントを求めたが、27日に回答はなかった。

ロシアの元投資銀行家、ローマン・ボリソビッチ氏は、28日の市場は「混乱」に見舞われると予想。ロシア当局が「制限を導入するのは確実だ。ルーブル防衛はできないが、かつてそうしたように、おそらく取引を停止し、人為的にレートを決定することになる。闇市場ができるだろう」と述べた。

中銀は、28日はレポ取引を通じて無制限に資金供給すると表明した。