[ベルリン 30日 ロイター] – ドイツのショルツ首相が30日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシア産天然ガスの代金支払いに引き続きユーロかドルを使用する意向を示したと独政府報道官が述べた。一方、プーチン大統領はショルツ首相に対し、欧州のパートナー国にとって何ら変更はないと述べたという。

独政府報道官によると、ショルツ首相はロシアからのエネルギー供給についてはユーロもしくは米ドルで支払いを行うという主要7カ国(G7)の合意にコミットメントすると表明した。

プーチン大統領はショルツ首相に対し、欧州のパートナー国にとって何ら変更はないと強調。代金は引き続きユーロで決済され、西側諸国の制裁の影響を受けていないガスプロムバンクに送金された後、ルーブルに換金されると説明したという。

報道官は「ショルツ首相はこの手続きについて同意しなかったものの、手順をより良く理解するために書面での情報を求めた」と明らかにした。

独のハベック経済相はZDFテレビで、状況は読みづらく、ロシアからの発表も完全には明確でないと指摘。ロシアはルーブルで支払われなければガス供給を停止するとの脅しを撤回しておらず、独はあらゆる混乱に備え、可能な限りの対策を講じているとした。

これに先立ち、ロシア大統領府(クレムリン)は30日、独ロ首脳の電話会談で、ロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う方法について両国の専門家が協議することで合意したと発表した。タス通信が伝えた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は29日、ロシアに対する「経済戦争」で状況が一変したため、天然ガスを購入する外国企業はルーブルを調達してルーブル建てで代金を払う必要があることを理解すべきだと述べた。