[ワシントン 30日 ロイター] – 米ホワイトハウスや欧州当局者は30日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻の戦況や欧米の制裁措置による経済へのダメージを巡り、側近から誤った情報を伝えられている可能性があるという情報を明らかにした。

ホワイトハウスのベディングフィールド報道官は「プーチン大統領が軍に惑わされたと感じ、軍指導部との摩擦につながっているという情報を入手している」とし、「プーチン大統領の側近は真実を伝えるのを恐れており、ロシア軍の侵攻がいかにうまくいっていないか、欧米の制裁措置でロシア経済がいかに打撃を受けているかについて、誤った情報を伝えられているとわれわれは確信している」と語った。

この情報が「ロシアの戦略的な誤り」を示しているとも述べた。

米高官は、米政府による情報の共有がプーチン大統領の戦略を複雑にする可能性があると指摘。「この情報が有益となる可能性がある。プーチン大統領は誰を信頼すべきか考え直す可能性がある」と述べた。

ロシア大統領府、および駐米ワシントンのロシア大使館からコメントは得られていない。

欧州の上級外交官は、米国の分析は欧州の見解と一致しているとし、「プーチン大統領は実際の状況よりも事が順調に進んでいると考えていたようだ。この問題は『イエスマン』に囲まれ、長テーブルの端に座っていることに起因しているのだろう」という見方を示した。

欧州外交筋によると、ウクライナ侵攻前、ロシアの徴集兵は軍事演習に参加すると伝えられると同時に任務を拡大する文書への署名を義務付けられたという。外交筋は、現時点でロシア軍の反乱を助長するような兆候は見られないとしつつも、状況は「予測不可能」とした。