[キーウ(キエフ) 1日 ロイター] – ロシア軍の攻撃が続くウクライナ東部ルガンスク州の要衝、セベロドネツクの市当局者は1日、ウクライナ軍は市の20%程度をなお掌握しており、ロシア軍による全面的な制圧は防げるとの見方を示した。

セベロドネツク市の行政部門責任者、オレクサンドル・ストリウク氏はロイターの電話インタビューに対し、セベロドネツク市は現在60%がロシア軍の制圧下にあるものの、ウクライナ軍は20%をなお掌握しており、残りの20%は無人地帯になっていると述べた。

市内では全ての主要インフラが破壊され、絶え間ない砲撃が続く中、市街戦も継続。1万2000─1万3000人の住民が取り残されているが、食料やその他の支援物資を市内に届けることは不可能になっているという。

ロシア軍がセベロドネツクと近隣のリシチャンスクを制圧すれば、ルガンスク州全体を掌握することになる。

ルガンスク州のガイダイ知事によると、セベロドネツク市内の化学工場に多くの民間人が退避している。知事は「防空壕にはかなりの数の民間人がいる」とした上で、工場内には危険な化学物質が残されている可能性があると述べた。ロイターはこの情報を確認できていない。

また、ウクライナ兵士による数週間の籠城が続いた南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所のような状況になる可能性は低いという見方を示した。

セベロドネツクでは前日、ロシア軍が硝酸タンクを空爆し、有毒ガスが発生する恐れがあるため、住民に防空壕の外に出ないよう呼びかけていた。