83歳で挑んだ米サンフランシスコから日本への69日間の旅。嵐に見舞われ、高波に揺られ、スコールに遭いバックしてしまうことさえあった。太平洋上の星空の美しさにも目を奪われた。堀江謙一さんは航海の状況を日々、日記につづり、ウェブサイトで公開してきた。

【写真ニュース】会見する堀江さん

 出航直後の3月下旬、嵐に見舞われた。嵐の洗礼というタイトルで、「キツイ!!。じっと耐えるのみです」と伝えた。出航から10日ほどたった日には、太平洋上の夜空に目を向け、「夜になるとたくさんの星。三日月も出ています。満天の星です」と紹介。ただ、船酔いも続いた様子で、約1週間食欲がなかったと明かした。

 4月中旬、ハワイ付近では、カレーライスとノンアルコールビールを楽しんだ。「いい気分になり、ついウトウトしてしまいました」。ハワイまでの航海を振り返り、「暴れ馬に乗っているような毎日でした」と太平洋の波の高さを表現した。初めてシャンプーをしたのは4月17日(現地時間)。揺れるヨットで命綱を付けて海に振り落とされないように洗髪した。

 5月下旬には複数回、スコールに遭遇。「右へ行っても左へ行ってもバックする始末。やむを得ません」と睡眠を取らずに必死に船を操縦した。

 6月に入り、旅も終盤に入った高知県沖では、なかなか北上できずに一苦労。「胸突き八丁。少しでも北へ昇れるように頑張ります」とつづった。4日には「ゴールラインを通過しました。疲れました」と記載。翌5日は「気分は日本晴れです」と書き、旅を締めくくった。