• 下院でも12日に通過の見通し、当初の案から規模縮小
  • シューマー氏、21世紀の決定的な偉業の一つになると確信

米上院は7日、税制・エネルギー・気候対策法案を賛成51、反対50の賛成多数で可決した。バイデン大統領の優先施策を盛り込んだ同法案は民主党内の対立で上院で長く滞っていたが、規模を縮小した案の議会通過に道筋がついた。

  採決は賛成、反対同数の後、ハリス副大統領が上院議長として決定票を投じた。法案は下院に送付される。民主党が多数派のため法案は12日に下院を通過する見通し。

  シューマー民主党上院院内総務は採決前に法案について、「21世紀の決定的な偉業の一つになると確信している」と述べた。

Senate Votes On Democrats' Tax, Energy, Drug Bill
シューマー米民主党上院院内総務(8月7日)Photographer: Ting Shen/Bloomberg

  民主党は法案を巡り、米国史上最大規模の気候変動対策投資だとしている。温室効果ガス排出を2020年代末までに05年比で約40%削減するのに寄与する見込みだ。

  法案は大企業が税額控除を利用して納税額をゼロ近くにするのを防ぐことも目指している。またメディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)でカバーされる医薬品の価格について、交渉を通じて引き下げも図る。10年強ぶりとなる本格的な財政赤字削減にもつながる見通し。

  バイデン大統領は法案を通過させた上院民主党を称賛する声明を出し、「多くの譲歩が必要だった。重要な事を成し遂げる時はいつもそうだ」とコメントした。

  一方、法案に反対している共和党は歴史的な高インフレの押し下げにつながらず、税制案が米経済のリセッション(景気後退)入りを促すおそれがあると主張した。

  マコネル共和党上院院内総務は「景気後退時の大型増税は失業をもたらすだろう」と指摘した。

原題:Senate Passes Democrats’ Landmark Tax, Climate and Drugs Bill(抜粋)