台風11号はきょうの夕方から6日の朝にかけて九州の北部に接近するとみられている。この一週間、連日このニュースがトップを飾っていた。テレビをつければこのニュースだ。南太平洋で発生したあと、日本に接近するまでの進路が異常だ。これまで台風は発生地から弧を描いて北上、日本列島を直撃するかかすめるか、特定のパターンを繰り返してきた。11号はこれまでにみたことがないような進路を描いている。発生地からほぼ一直線に沖縄方面に西進、先島諸島の南側で進路を北に転換。それからずるずると北進している。台風の中心は朝鮮半島にまっすぐ向かっている。瞬間風速が異常に高いこと、進行速度が異常に遅いこと、何から何まで異常だ。なぜ、と問うても、答えはみつからない。地球を取り巻く自然環境に異変が起こっているとしか言いようがない。

異常気象が叫ばれるようになったのはいつ頃からか。ゲリラ豪雨に始まり南岸低気圧、線状降水帯など新しい気象用語を次々と耳にするようになった。エルニーニョかラニーニョか、南米の沿岸沖を襲う海面温の異常、今年はどっちか、何回聞いてもすぐに忘れる。いずれにしても異常気象の原因は地球環境の変異だ。脱炭素で元に戻るのか、はっきりしない。だが、どんなに努力しても人類が削減できるCo2の量は、人類の活動によって発生する量を上回らない気がする。なぜか。仮にCo2を削減するためにアンモニアを使うとしても、アンモニアを生成するためにCo2が発生する。楽観的な人類は科学技術の進歩によってCo2の排出量は削減できると主張する。別に悲観的になっているわけではない。過去を振り返れば、科学技術の進歩につれてCo2の排出量は増えてきた。これが歴史的な事実だ。

異常気象は日本だけではない。欧米にアジア、アフリカ、南アメリカ、世界中で起こっている。異常気象のせいか最近は人類の精神状態も異常になっている気がする。ロシア、中国、北朝鮮。どの国も指導者の精神状態がとりわけ異常だ。日本も例外ではない。岸田総理は旧統一教会と手を切ると断言する。霊感商法を擁護する気はサラサラないが、信仰するという行為それ自体がある種の“異常性”を含んでいるのではないか。それでも日本は「信仰の自由」を認めている。統一教会排除を名目に内閣を改造した岸田首相。改造内閣は同協会と関係を持っていた大臣で溢れている。メディアも異常だ。連日の旧統一教会バッシング。まるで赤狩りだ。これで安倍銃撃の真相は解明されるのだろか。個人的には自分は正常だと思っている。だが、異常が常態化すれば正常が異常になる。これも同調圧力か。日本社会は少しずつ異常に向かって加速している気がする。