ウクライナ軍はロシア軍に支配されている南部の領土の奪還をめざして攻勢を強めています。一方、ロシア軍は前線の部隊への補給や兵士への手当の支給が滞り、士気や規律が低下しているとイギリス国防省が分析しています。

ウクライナ軍はヘルソン州など南部で先月下旬から領土の奪還に向けて新たな攻勢に出ていて、地元メディアは4日、ロシア軍の弾薬庫として使われている施設を攻撃したほか、一部地域を奪還したと伝えました。

これに対してロシア軍は4日、隣のミコライウ州でロケット砲による攻撃を強め、地元メディアによりますと住宅や教会などが被害を受け、崩れた建物でけが人も出ているということです。

イギリス国防省は4日、ウクライナに派遣されたロシア軍の部隊について、武器や食料の補給が滞っていることに加えて「かなりの額にのぼる戦闘手当が支給されていない可能性が高い」として、兵士の士気や規律が低下していると分析しています。

ウラジオストクで5日から開かれる東方経済フォーラムに出席するプーチン大統領は、6日にロシア軍の大規模軍事演習「ボストーク」を視察する予定で、軍事力に余力があることを内外に示すねらいもあるものとみられます。