• FRB議長がインフレ抑制に決意、米住宅ローン金利08年以来の高さ
  • ECB0.75ポイント利上げ、英女王が死去、独エネルギー危機対応
A logo on a clock face at the semiconductor fabrication (fab) plant, operated by Robert Bosch GmbH in Dresden, Germany, on Monday, May 31, 2021. Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はインフレ期待を抑制していくのに残された時間が少なくなりつつあると発言。インフレ率が目標を上回る期間が長引けば、国民の間にインフレマインドが自然と定着してしまうと懸念を示しました。国民のデフレマインド払拭に苦戦してきた日銀を意識したコメントにも聞こえます。パウエル氏の講演後、バンク・オブ・アメリカはFRBが9月に3回連続となる0.75ポイントの利上げを決め、フェデラルファンド金利の誘導目標は最終的に4.0-4.25%まで上がるとの予想に改めています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

任務完了まで尻込みしない

パウエルFRB議長は8日、ワシントンでの講演でインフレ抑制の「任務が完了するまで」金融当局が尻込みすることはないと言明。労働市場における需要が依然として極めて強い中、「インフレ期待を抑制し続けるのは非常に重要だ」と強調した。そうした状態の継続を確実にするという点で「時間は刻々となくなりつつある」と述べた。

遠のく住宅購入

米国の住宅ローン金利は3週連続で上昇し、2008年以来の高水準となった。フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)によると、30年物固定金利は平均5.89%と、前週の同5.66%から上昇した。米住宅市場で減速感が深まる中、物件を購入しづらい状況が生まれている。

欧州も0.75ポイント

欧州中央銀行(ECB)が歴史的な0.75ポイントの利上げを決め、中銀預金金利を0.75%に引き上げた。声明では「インフレ率を適切な時期に目標の2%に戻す金利水準への移行を前倒ししたものだ」とし、「今後数回の会合でのさらなる利上げを想定している」と表明。ラガルド総裁は「会合ごとに見直す指標が大幅な利上げが必要だと示唆するのなら、そうするだろう」と明言し、市場が織り込む10月会合での0.75ポイント再利上げ決定確率は40%に上昇した。

敬愛された君主

英国のエリザベス女王が8日、滞在先のスコットランドのバルモラル城で死去したと、バッキンガム宮殿が発表した。96歳だった。在位は、1837年6月20日-1901年1月22日にわたったビクトリア女王の記録を2015年に抜き英国史上最長。在位期間中に英国の衰退や王室スキャンダルを体験したが、国民に愛され王室の信頼回復を成し遂げた。女王の長男が王位を継承し、チャールズ3世として新国王に即位した。

エネルギー危機で企業支援

ドイツは新型コロナウイルス禍で投入した支援プログラムを拡大し、エネルギー危機に伴うコスト高で打撃を受けた企業にも支援を提供する。ロシアによるエネルギー供給削減を受けたエネルギー危機のあおりで企業倒産が相次ぐ恐れがあるとの懸念が高まっているため。ハーベック経済相によれば、支援を受けるにはエネルギーコストと生産費用または売上高との関係などが精査される可能性がある。

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