• ウラジオストクの日本領事を国外退去に、機密情報取得の疑い
  • 国境封鎖の決定は下していない-ロシア大統領府のペスコフ報道官

ロシアのプーチン大統領は、米国家安全保障局(NSA)による個人情報の収集活動を暴露した元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者にロシア国籍を与える大統領令を出した。同容疑者は9年前からロシアに亡命中だった。

  米国務省のプライス報道官は、国籍の付与で同容疑者が徴兵され得ると指摘。「唯一変わったことは、ロシア国籍を得たことでスノーデン容疑者は戦闘のために招集される可能性があるということだ」と語った。

  ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン大統領が発令した30万人の部分的な動員を巡り、ロシア国民に拒否を呼び掛けるとともに、ロシア軍兵士に投降を促した。そうすれば「犯罪的な戦争」をより早期に終わらせることに役立つと述べた。

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

東部ドネツクに双方が照準-ゼレンスキー大統領

  ゼレンスキー大統領は26日夜の動画演説で、東部ドネツクがウクライナにとって「第1のターゲットだ」と述べ、それはロシアにとっても同じだと指摘した。

  「ドネツク地域の状況は特に緊迫している」と大統領は発言。「敵の行動を食い止めるため全力を尽くしている」と語った。

在ウラジオストク日本総領事館の領事を国外退去に

  ロシアは極東ウラジオストクの日本総領事館に勤務する領事1人を追放した。同外交官が金銭を支払って機密情報を取得したとしている。

  タス通信がロシア外務省を引用して伝えたところによれば、この外交官モトキタツノリ氏は48時間以内の国外退去を命じられた。これに先立ち、連邦保安局(FSB)は、ロシアとこの地域の国との関係や制裁の経済への影響に関する部外秘情報を取得したとして同外交官を拘束していた。

スノーデン容疑者にロシア国籍付与

  プーチン大統領は、米国家安全保障局(NSA)による個人情報の収集活動を暴露した元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者にロシア国籍を与える大統領令を出した。

  スパイ活動取締法違反の疑いで米当局に訴追された同容疑者は2013年にロシアに亡命。20年にロシア国籍の取得を申請していた。

国境封鎖の決定は下していない-ロシア大統領府報道官

  ロシア大統領府のペスコフ報道官は、動員令対象者の出国を阻止するための国境封鎖の可能性について、「何も決定していない」と述べた。

  当局は動員令で招集され得る人々の国外移動を制限する計画だとの報道に関する質問に対し、ペスコフ報道官は「何も認識していない」と答えた。一部の地域での戒厳令の発令についても決定は下されていないと述べた。

  プーチン大統領が21日に部分的な動員令を発動して以来、数千人が徴兵を恐れて国境に押し寄せている。

原題:Ukraine Latest: Kremlin Grants Citizenship to Edward Snowden(抜粋)