[ストックホルム 3日 ロイター] – スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2022年のノーベル生理学医学賞をドイツ・マックスプランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授に授与すると発表した。

授賞理由は「絶滅したヒト族のゲノムと人類の進化に関する」発見。1000万スウェーデンクローナ(90万0357ドル)が贈られる。

ペーボ氏は、絶滅したネアンデルタール人の全ゲノム配列を決定する方法を開発したほか、シベリアで発見された4万年前の指の骨片のDNAを解析し、ネアンデルタール人に近いが異なるデニソワ人の存在を明らかにした。

ペーボ氏らは2020年に発表した研究報告で、現生人類(ホモ・サピエンス)が約6万年前にネアンデルタール人と交雑した際にネアンデルタール人から受け継いだ遺伝子変異があり、その変異を持つ者は新型コロナウイルス感染症の原因となるウイルスに感染すると人工呼吸が必要になるような重症化する可能性が高くなると指摘した。

同氏は今年の講演で「ネアンデルタール人が持っているこの変異型のために、100万人以上多く死亡している」と述べた。