[東京/ソウル 9日 ロイター] – 北朝鮮は9日未明、弾道ミサイル2発を東方向へ発射した。北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは、9月25日以降で7回目。発射場所が東岸付近だったことから、日本の防衛省は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)だった可能性を含め分析を進めている。

防衛省によると、北朝鮮は午前1時47分ごろと53分ごろ、東岸付近からそれぞれ東方向へ発射した。同省は2発とも最高高度約100キロ、飛行距離約350キロと分析。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したと推定している。

会見した井野俊郎防衛副大臣は「(発射場所が)東岸付近だったため、SLBMの可能性も含め分析している」と説明。「かつてない高い頻度で、かつ新たな対応でのミサイル発射を繰り返している」としたうえで、「断じて容認できない」と語った。

日本政府は中国・北京の大使館を通じて北朝鮮に抗議した。

北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは、この2週間で7回目。直近は10月6日で、米海軍が日本海(韓国名:東海)に空母を展開したことに反発した直後に2発を試射した。4日には日本を飛び越える形で中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射している。

韓国軍は9日、北朝鮮による未明のミサイル発射を、平和を乱す「深刻な挑発」と非難した。発射されたのは短距離2発で、最高高度50キロメートル、約350キロ飛行したとしている。

米インド太平洋軍は、ミサイル発射を受けて同盟国やパートナー国と緊密に協議していると述べた。ミサイル発射は北朝鮮の核兵器・弾道ミサイル計画の「不安定化させる影響」を鮮明にしたと指摘し、「韓国と日本を防衛する米国のコミットメントは揺るぎない」と改めて表明した。