[ソウル 14日 ロイター] – 北朝鮮は14日未明、短距離弾道ミサイルを東の方向に発射した。これに先立ち北朝鮮の軍用機が南北の軍事境界線を飛行し、韓国軍は戦闘機を緊急発進。韓国政府は北朝鮮に対する独自制裁を発表した。

韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は午前1時49分ごろ、平壌の順安地区から弾道ミサイル1発を発射。日本の防衛省によると、同国の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、軍報道官の発言として、韓国軍による13日の砲撃に対し「強力な軍事的対抗措置」を取ったと報じた。

韓国軍はこれに先立ち、約10機の北朝鮮軍機が南北の境界線近くを飛行したとして、戦闘機を緊急発進させたと発表。北朝鮮が東岸沖と西岸沖に約170発の砲撃を行ったとも明らかにしていた。

韓国の国家安全保障会議(NSC)は14日、北朝鮮が「敵意ある行動」で軍事的緊張を高めていることを強く非難すると表明。

韓国政府は約5年ぶりとなる独自制裁を北朝鮮に発動し、北朝鮮の個人15人とミサイル開発に関わった16組織をブラックリストに載せた。

KCNAによると、北朝鮮の軍報道官は、韓国軍が13日に北朝鮮の前方地域近辺で10時間に及ぶ砲撃を行ったとし、韓国軍による「挑発的な行動を深刻に受け止め、強力な軍事的対抗措置を取った」と主張。「無謀な行動で前方地域の軍事的緊張をあおる韓国軍に厳重な警告を送る」とした。

韓国軍の報道官は、北朝鮮が主張する韓国軍の砲撃に関する情報はないと述べた。

米国のインド太平洋軍は、今回のミサイル発射を確認した上で、「米国の人員や領土、同盟国に対する直接的な脅威にはならない」と表明。「北朝鮮の弾道ミサイル発射を監視するために、同盟国やパートナーと緊密に連携し続ける」とした。