[ロンドン 20日 ロイター] – トラス英首相は20日、辞任を表明した。大型減税などの経済政策が市場に動揺を与え、保守党内からも反発の声が上がり、就任からわずか6週間での辞任となった。

来週中に後任を選ぶ党首選が行われる予定。トラス氏は英国史上最も在任期間の短い首相となった。

トラス氏は首相官邸で「このような状況では党首選の際の公約を実現できないと認識している」と述べ、党からの信頼を失ったことを認めた。また、同日朝に党首の選出や交代を規定する「1922年委員会」のブレディ委員長と会談し、来週中の党首選実施で合意したことを明らかにした。後任が決まるまで首相の座にとどまるという。

ブレディ氏は党首選について、10月31日の中期財政計画発表までに新党首を選出すべきとの見解を表明。28日までに後任を決めることが可能との見通しを示した。

BBCなど複数のメディアによると、ハント財務相は党首選に立候補しない見通し。一方スカイニュースは、前回の党首選にも立候補したスナク元財務相とモーダント下院議長が候補に挙がっていると報じた。またガーディアン紙は、保守党重鎮のゴーブ氏が候補から「除外された」と報じた。

英紙タイムズは、ボリス・ジョンソン前首相がトラス氏の後任として保守党の党首選に立候補する見通しと報道。タイムズ紙の政治担当エディター、スティーブン・スウィンフォード氏はツイッターで、ジョンソン氏が「国益に関わる問題について、状況を探っていると言われている」と述べた。

ブックメーカー(賭け業者)のオッズではスナク氏が最有力とされている。

トラス氏辞任表明の発表を受けて英ポンドは上昇。午後の取引で対ドルで0.35%高の1.1262ポンドとなった。ポンドはユーロに対しても上昇し、87.08ペンス付近で推移している。

米国のクレイン大統領首席補佐官はMSNBCのインタビューで、トラス氏の後任が誰であれ、米国は緊密な関係を築くと表明。バイデン氏が後刻声明を発表するとした。

フランスのマクロン大統領は訪問中のブリュッセルで、記者団に対し「できるだけ早く安定することが重要だ。われわれは何よりも安定を望んでいる」と語った。

一方、ロシア外務省のザハロワ報道官はソーシャルメディアに辛らつなコメントを投稿。トラス氏は「破滅的なまでに無教養」であり「英国史上最も不名誉な首相だ」とした。

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