• 米CPIが予想下回る、米地区連銀総裁発言、FTX危機拡大
  • 米為替報告書で日本の介入批判せず、米中首脳が14日に会談へ
Sam Bankman-Fried, founder and chief executive officer of FTX Cryptocurrency Derivatives Exchange. Photographer: Bloomberg/Bloomberg

米国では10月、インフレが市場の予想以上に鈍化しました。ただサービス分野の最大項目である住居費は前月比0.8%上昇と、1990年以来の高い伸び。マンハッタンの賃貸アパート市場では最高級物件で賃料上昇がなお続いているもよう。不動産会社によれば、10月は市場全体の90%で賃料が下がった一方、上位10%の新規契約賃料(中央値)は前月比13%上昇し、月額1万3000ドル(約184万円)に達しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

CPI予想下回る

10月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.7%上昇に伸びが減速。今年1月以来の低水準となり、市場予想も下回った。食品とエネルギーを除くコアCPIも市場予想以上に鈍化。物価上昇が勢いを弱めつつあるとの期待を持たせる内容で、米金融当局にとっては急激な利上げを減速させる余地が生まれた格好だ。ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミストは「米金融当局のハト派は今後利上げペースを減速させる強力な正当性を得たことになる」と指摘した。

利上げペース減速か

複数の米地区連銀総裁が金融政策引き締め継続の必要性を強調しつつ、引き締めペースの減速には支持を示した。ダラス連銀のローガン総裁は「利上げペースを緩めることが近く適切になり得ると思うが、ペース減速が一段と緩和的な政策を意味すると受け止めるべきではないとも考えている」と述べた。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は「今後数カ月で利上げのペースは減速すると予想している」と発言。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、追加利上げはなおも行われると注意を促した上で「ペース減速は適切な検討事項だ」と語った。

FTX巡る危機拡大

暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXを巡る危機が深刻化。サム・バンクマンフリード最高経営責任者(CEO)は傘下のトレーディング会社アラメダ・リサーチを閉鎖する。FTXを破綻の危機から救うため、同CEOは資金源を必死に探している。米事業のFTX USは、あと数日で取引を停止する可能性があることを明らかにした。日本法人のFTXジャパンに対しては、関東財務局が業務停止命令と業務改善命令を出した。こうした中、ソフトバンクグループのエクスポージャーにも注目が集まっている。

日本の介入批判せず

米財務省は外国為替報告書で、貿易相手国に対する為替操作国の認定を今回も見送った。市場介入については一部のケースにおいて容認する姿勢を示唆した一方、中国に対しては透明性の欠如を批判した。報告者は日本についての部分で「大規模で自由な為替市場において、介入は極めて例外的な状況に限定し、事前に適切な協議を行うものだと米財務省は強く期待している」とした。

14日に米中首脳会談

バイデン米大統領は中国の習近平国家主席とインドネシアのバリ島で14日に会談する。米政府高官が明らかにした。対面での会談は初。さらなる関係悪化を防ぐことが主な目的で、気候変動抑制の取り組みなど両国が協力できる分野についても話し合うという。何らかの具体的成果を目指したものではなく、共同声明も出ないだろうと同高官は述べた。バイデン氏は先に、習氏に対して「基本的な譲歩をするつもりはない」と言明している。

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