[北京 21日 ロイター] – 中国の首都北京では21日、新型コロナウイルス感染者増加を受け、複数の地区で学校の授業がオンラインに移行された。

感染は国内各地で拡大しており、20日には本土で新たに2万6824人の市中感染者が確認された。前日の2万4215人から増加した。北京では2人の死亡が新たに確認された。同市では前日に5月下旬以来となる死者が1人出ていた。

北京の新規感染者は962人で前日の621人から増加。市内で最も人口が多い朝陽区のほか、海淀区、東城区、西城区でも一部の学校で対面式授業が停止された。

感染者数が多い南部・広東省の広州市は、人口最多の白雲区で5日間のロックダウン(封鎖措置)を導入。主要なビジネス街がある天河区では飲食店の店内営業が停止され、ナイトクラブや劇場も閉鎖された。

河北省省都の石家荘市は20日夜、新たな市中感染者が641人確認されたことを受け、8地区のうち6地区で今後5日間にコロナの集団検査を実施すると発表した。同市など複数の市は先週、定期的なコロナ検査を縮小し始めたばかりだった。

<一律の規制は敷かず>

中国共産党の機関紙、人民日報は21日、早期の感染把握が必要としながらも一律の対策は避ける必要性をあらためて指摘した。

当局が感染対策を対象を絞ったものにしようとする動きを受け、一段の大幅な規制緩和期待が浮上している。しかし政府がゼロコロナ政策の効用と、医療崩壊防止のため必要性を主張していることから、アナリストの多くは大幅な規制緩和は来年3月か4月からとみている。

専門家は本格的な活動再開には、追加接種の推進や政府の情報発信のあり方の見直しが必要と指摘する。

オックスフォード・エコノミクスは、高齢者のワクチン接種率が比較的低いことから、ゼロコロナ政策からの脱却は23年後半とみている。