[台北 21日 ロイター] – タイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に台湾代表として参加した台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀氏は21日、会議の合間に中国の習近平国家主席と接触したことを巡り、台湾総統府からは同主席を避ける必要はないと指示されていたと明らかにした。

21カ国・地域から成るAPECは台湾がメンバーである数少ない国際組織の一つ。18日に習主席と接触し、先月開催された中国共産党大会について祝辞を伝え、和やかな交流になったという。

張氏はバンコクから台北に戻った際、記者団に対し、習氏との接触と祝辞は自身の判断であり、「自らの考え」を伝えたと説明。「総統府からは機会があれば会談やあいさつを避ける必要はない、と言われていた。それしか指示はなかった」と語った。

張氏の記者会見に同席した台湾国家安全会議高官によると、蔡英文総統は同氏が習氏に声をかけたことを「尊重」しているという。

中国側は今回の接触についてコメントを出していない。