[東京 25日 ロイター] – 政府は25日、少額投資非課税制度(NISA)の総口座数を5年間で3400万とし、投資額も56兆円に、それぞれ倍増させることなどを柱とする「資産所得倍増プラン」をまとめた。新しい資本主義実現会議の分科会で、岸田文雄首相は「目標達成に向け一般NISA、積み立て双方を恒久化する」と表明した。

家計金融資産の多くは現預金に分類され、 年金・保険などを通じた間接保有を含めても、株式や投資信託、債券への投資は244兆円(約2000万人)にとどまるとされる。NISA拡充で2000兆円に上る家計金融資産を投資につなげ、「成長と資産所得の好循環」を実現させたい考え。

新たなプランでは、5年間でNISAの総口座数を現在の1700万から倍増させ、28兆円の投資額も2倍にする。その後、家計による投資額(株式・投資信託・債券等の合計残高)の倍増を目指すとしている。

NISA制度の恒久化を図るほか、非課税保有期間の無期限化と非課税限度額の引き上げを進めることも明記した。近く税制措置を与党で詰める。

資産所得倍増に向けては個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢の引き上げも掲げ、「2024年の公的年金の財政検証に併せて結論を得る」とした。

首相は分科会で、安定的な資産形成を行う環境を整備するとともに「職場を通じた資産形成の促進、金融経済教育の強化、国際金融センターの実現、顧客本位の業務運営の確保などを図り、貯蓄から投資へのシフトを実現していく」と強調した。