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     労働組合の中央組織・連合と経団連の労使トップ会談が23日、東京都内であり、今年の春闘が本格的に始まった。歴史的な物価高の中、近年2%前後にとどまってきた賃上げ率がどこまで伸びるかが焦点だ。

     連合の芳野友子会長は、賃上げについて「これまでの延長線上での議論にとどめることなく、労使が力を合わせて、日本の未来をつくりかえるターニングポイントとすべきだ」と強調。経団連の十倉雅和会長も「物価動向を特に重視しながら、企業の社会的責務として賃金引き上げのモメンタム(勢い)の維持、強化に向けた積極的な対応を呼びかけている」と語った。

     昨年12月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比4・0%増と、41年ぶりの上昇率となった。物価の影響を考慮した「実質賃金」は同11月まで8カ月連続で前年割れが続いている。

     こうした状況を受け、連合は賃上げ目標を「5%程度」と28年ぶりの高水準に引き上げた。岸田文雄首相も「インフレ率を超える賃上げ」を求めている。昨年の春闘での賃上げ率は2・2%(厚生労働省まとめ)だった。

     各労組の賃上げ要求は2月以降に本格化する。大企業の回答は3月中旬に集中する見通しだ。(三浦惇平 青田秀樹)