[ワシントン/ニューヨーク 1日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は1月31─2月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ4.50─4.75%とした。決定は全会一致。インフレへの対応を進める中、「継続的な」利上げが適切と改めて表明した。

FRBは声明で「インフレ率は幾分和らいだが、引き続き高止まりしている」と指摘。「ウクライナに対するロシアの戦争は、多大な人的および経済的困難を引き起こし、世界的な不確実性の高まりの一因となっている。委員会はインフレのリスクを非常に注視している」とした。ただ、物価上昇の直接的な要因として戦争と新型コロナウイルス感染拡大に言及した部分を削除した。

米経済は「緩やかな伸び」を示し、雇用の伸びは「堅調」とし、徐々にインフレ率を2%に戻すのに十分な制限的な金融政策姿勢を達成するため、「継続的な」目標誘導レンジの引き上げが適切になるとした。

パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、このところのインフレを巡る進展は「喜ばしい」としながらも、利上げ終了を示唆するには不十分と強調。「インフレが目標に回帰していると確信するためには、インフレ低下を示す一段の実質的な証拠が必要になる」と述べた。

同時に、米経済を大幅な景気後退(リセッション)に陥らせることなくインフレ目標を達成する道はあると信じているとし、FRBがインフレを引き下げるのに十分と考える水準まで「あと数回」のところまで来ている可能性があると述べた。

ただ、インフレ抑制に向けた取り組みを進める中、FRBがどこで利上げを停止するかは分からないとも表明。ターミナルレート(利上げの最終的な到達点)が昨年12月に示した5.1%を超える可能性もあるとの見方を示した。

その上で、現在の見通しでは経済成長は鈍化し、失業率は緩やかに上昇し、インフレ率は緩やかに低下すると予想。「経済がこうした予想とおおむね一致すれば、年内の利下げは適切ではない」と述べた。

今回のFOMC声明では、今後の利上げ「ペース」に関する言及はなく、代わりに利上げの「程度」に言及。今後の利上げ幅が今回と同様に0.25%ポイントになる可能性が示唆された。

ただ、これまでに実施した政策が経済にどのような影響を及ぼしたかを考慮すると表明。今後の利上げは経済データの推移に左右される可能性が示された。

バンクレートのチーフファイナンシャルアナリスト、グレッグ・マクブライド氏は「今後の利上げ一時停止の明確な兆候を期待していた場合は、肩透かしを食らった」とし、「FRBは声明で継続的な利上げとの表現を維持し、今後の経済データの内容次第との選択肢を残した」と述べた。