[ボルゴグラード(ロシア) 2日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は2日、第2次世界大戦で旧ソビエト軍がナチス・ドイツ軍に勝利した「スターリングラード攻防戦」80年を記念する演説で、ウクライナでの戦争を巡りロシアが再びドイツと対峙(たいじ)していると述べた。

プーチン大統領は、1961年までスターリングラードと呼ばれていた南部のボルゴグラードで行われた式典に出席。ドイツが同国製戦車「レオパルト2」をウクライナに供与する決定を非難した上で、ロシアは80年前と同じようにウクライナで勝利すると確信していると言明。核兵器を含むあらゆる兵器を使用する用意があると改めて表明した。

プーチン氏は演説で「ナチズムのイデオロギーが現代的な形になり、再びロシアの安全を直接脅かしている」とし、「われわれは繰り返し、西側諸国の集団的な侵略に対抗しなければならない。信じられないことだがこれは事実だ。ドイツのレオパルト戦車に再び脅かされている」と述べた。

スターリングラード攻防戦は第二次世界大戦における独ソ戦の決定的な転換点となったが、ソ連軍は100万人を超える死者を出したほか、5カ月に及んだ戦闘でスターリングラードは廃墟と化した。

プーチン大統領は、スターリングラードの戦いが「わが民族の不滅」の象徴になったとし、ロシアがウクライナで勝利すると考える理由を説明するためにスターリングラードを防衛したソ連兵の精神を想起。

「ドイツを含む欧州諸国をロシアとの新たな戦争に引き込み、ロシアに勝利することを期待する者は、現代におけるロシアとの戦争が全く異なるものになると理解していないようだ」とし、「ロシアは彼らとの国境に戦車は送らないが、対応する手段を持っている。装甲車の使用にとどまらないことを誰もが理解しなければならない」と述べた。