[16日 ロイター] – 米司法省のモナコ副長官は16日、米国の技術を外国の敵対者や、国家安全保障上の脅威から守ることを任務とする「破壊的技術ストライクフォース」を設立すると明らかにした。ロンドンのシンクタンクの英王立国際問題研究所(チャタムハウス)での講演で発表した。

モナコ氏は事前に準備された原稿で、敵対者が「われわれの最高の技術を吸い取ろうとする」ことを阻止するために司法省と商務省が共同でこの取り組みを実施すると説明。「不法行為者を対象に機密情報とデータ分析を用い、官民の連携を強化して供給網を強固にし、半導体などわれわれの重要な資産に対する脅威を早期に発見する」と訴えた。

司法省は近年、サイバー攻撃や窃盗、制裁逃れを使う外国の敵対者から企業の知的財産、米国の供給網、米国民の個人データを守るために刑事訴訟を起こすことに力を注いでいる。

米国の技術革新と経済安全保障にとって中国は依然として最大の脅威だと繰り返し指摘しており、モナコ氏もこの見解を再度強調した。

モナコ氏は「中国政府は『軍民融合』政策で、中国企業が開発した軍事的に応用できる技術は国家と共有するように定めている」とし、「中国で操業している企業があなたのデータを収集する場合、中国政府がそれにアクセスしていることはほぼ間違いない」と言及。

米国は「敵対者が軍事的・国家的安全保障上の優位性を高めるため、民間企業の投資を利用して機密度が高い技術を開発する動きにも注意を払う必要がある」と指摘した。