[東京 9日 ロイター] – 国内最大の産業別労組であるUAゼンセンは9日、2023年の春季労使交渉(春闘)で、集中回答日を待たずに組合の要求に応じた18社から満額の回答があったと発表した。今年は過去最高の統一要求を示していたが、例年にはない速さでの妥結となった。物価高や人手不足が深刻化する中で社員の生活を守り、人材を確保する狙いから早期の妥結につながったとみられる。

このうちオリエンタルランドは正社員6.1%、パートなどは時給6.99%の賃上げ、イオングループ子会社のイオンリテールはそれぞれ5.03%、7.0%で妥結した。イオングループ傘下のホームセンターの労働組合については、6.16%、7.01%の引き上げで決着。12年にゼンセンが結成されてから初めて2月中の妥結となった。

UAゼンセンの松浦昭彦会長は「従来にはないスピードで(回答が)出てきている」とした上で、「それぞれの産業は総じて順風満帆の業績とは言えない中で、これからの企業経営の中では『人への投資』が非常に重要であるということを経営者に理解してもらいたい」と今後の交渉に期待を込めた。

UAゼンセンは繊維、化学、流通、サービス業など2291の労働組合が加盟(21年9月現在)する日本最大の産業別組織の一つ。春闘では751組合が要求書を提出し、正社員の要求分は組合員1人当たりの平均で5.16%、パートタイムは同6.35%で、ゼンセン結成以来、最も高い水準となっている。

松浦会長は、UAゼンセンに参加する企業は一般的にみて他産業と比べると賃金が低い水準にある上、ゼンセン内でも大手と中小の格差があるとして格差の是正につなげていく意向を示した。大手企業の最終交渉の集中回答日は15日で、その後は主に中堅・中小企業が続く。