[エルサレム 9日 ロイター] – イスラエル軍は9日、同国が支配するゴラン高原に向けた夜間のロケット弾攻撃への報復として、シリア軍の標的を攻撃した。ここ1週間でイスラエルを巡る衝突が激化している。

シリアの国営メディアは9日、首都ダマスカス近郊での爆発を伝えた。

イスラエル側は、ゴラン高原のイスラエル支配地域に向けて夜間にシリア領から6発のロケット弾が発射されたと説明。砲撃とドローンでロケット弾発射装置を攻撃した後、シリア軍の施設、軍事レーダーシステムなどへの空爆を行ったと発表した。

イスラエル軍は声明で「シリアは、その領土内で起こる全ての活動に責任を負っており、イスラエルの主権を侵害するいかなる試みも許さない」と述べた。

ロケット弾による被害や死傷者は報告されていない。シリア国防省によると、イスラエルの攻撃でも死傷者は出ていない。

レバノンの衛星テレビ局アルマヤディーンは、ロケット弾攻撃はイランが支援するパレスチナ・イスラム聖戦運動の武装組織が行ったと伝えた。

イスラエルでは、エルサレムにあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」で5日までにイスラエル警察とパレスチナ人が衝突。警察のモスク侵入に反発したパレスチナ武装勢力は自治区ガザからロケット弾を発射し、イスラエルが報復としてガザを空爆、暴力の連鎖がさらに広がる懸念が強まった。

6日には、レバノン南部からイスラエルに向けて30発以上のロケット弾が発射され、イスラエルはレバノンやガザにあるイスラム組織ハマスの拠点に反撃した。