• アルトマン氏解任劇の余波、フーシ派が貨物船拿捕、買い手有力候補
  • シティが人員削減開始へ、中国MMT推進派が財政赤字5%超を提言
Travelers at O'Hare International Airport
Travelers at O’Hare International Airport Photographer: Taylor Glascock/Bloomberg

今週からホリデーシーズンに突入する米国。米運輸保安局(TSA)は今シーズンの空の旅行者が過去最多に上るとみて早めの空港到着など乗客にも協力を呼びかけています。一方、年末商戦は金利上昇の逆風で伸び鈍化の予想。モノからコトへの消費シフトはまだ続くのでしょうか? 23日の感謝祭を控えた21日に、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31-11月1日開催分)が公表されるほか、人工知能(AI)ブームに乗って年初来240%近く株価が急騰しているエヌビディアが注目の決算を発表します。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

CEO復帰を要求

米オープンAIに出資する主要投資家らは、サム・アルトマン氏を突如解任した決定を撤回して最高経営責任者(CEO)に復職させるよう取締役会に圧力をかけている、と関係者が明らかにした。またアルトマン氏は解任される前に、新たな半導体ベンチャー向けに世界有数の大口投資家から多額の資金を調達する方向で積極的に動いていたことが、関係者の話で分かった。アルトマン氏は資金集めのため中東を訪問。AI向け半導体で現在大きなシェアを占めるエヌビディアに対抗できるようなAI特化型の半導体会社を設立する構想を抱いていたという。

貨物船拿捕

イスラエルはイエメンのイスラム教シーア派系武装組織フーシ派が紅海で貨物船を乗っ取ったと発表。フーシ派はイランが後ろ盾となっている。イスラエル首相府によると、この貨物船は英企業が所有し、日本企業が運航している。毎日新聞など一部報道によると、拿捕(だほ)された船は日本郵船がチャーターして運航している自動車運搬船「ギャラクシー・リーダー」で、日本人乗組員はいない。イスラム組織ハマスが拘束する人質の解放に向けた交渉はこれまでで最も合意に近づいている可能性がある。ファイナー米大統領副補佐官(国家安全保障担当)がNBCの番組でこうした認識を示した。

買い手有力候補

米投資会社ブラックストーンは、経営破たんしたシグネチャー・バンクの商業用不動産ローン債権ポートフォリオ約170億ドル(約2兆5400億円)相当に関して、買い手の有力候補に上がっている。内情を知る複数の関係者が明らかにした。他の入札者が競り勝つ可能性があるほか、債権プールが分割されることもあり得る。米連邦預金保険公社(FDIC)はシグネチャー・バンクが抱えていた約330億ドルの不動産担保ローンの売却を目指している。

人員削減開始

米銀シティグループは全面的な組織再編の一環として、20日にも人員削減を開始する。この件について説明を受けた関係者が明らかにした。シティはジェーン・フレーザーCEOの下で組織の簡素化と管理職の削減を目指しており、今回の人員整理はその最初の主要な動きだ。シティはレイオフ全体の人数は明らかにしていないが、月内に人員削減を開始し、来年1-3月(第1四半期)末まで継続するとの見通しをこれまでに示してきた。  

MMT推進派

中国で現代貨幣理論(MMT)推進派として知られる賈元良氏は、欧米諸国による貿易制裁で打撃を受けた国内経済を支えるために、財政支出を圧倒的に増やす必要があると提唱した。具体的には、中国は今後10年間、対国内総生産(GDP)比で平均5%を超える財政赤字を容認すべきだと述べている。中国政府は先月、景気浮揚を狙った異例の年度途中の予算修正で財政赤字の対GDP比率上限を従来の3%から3.8%に引き上げたが、賈氏が唱える水準はこれをさらに上回る。

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