【ブリュッセル時事】欧州議会など欧州連合(EU)の主要機関は8日、人工知能(AI)の利用を巡る世界初の規制案に大筋合意した。市民の権利や民主主義に及ぼす潜在的な脅威を念頭に置き、人種や宗教、政治信条といった個人情報に基づく個人認証システムを禁止することなどが柱。今後、加盟国と欧州議会がそれぞれ承認に向けた手続きに入る。

AI規制へ議論本格化 大統領選控え危機感―米議会

 規制の全面的な実施は2026年となる見込み。欧州委員会はそれまでの間、企業に規制の自主的な順守を求める「AI協定」を策定する。

 EUは6日から、最終案の取りまとめに向けて協議を続けていた。焦点の一つは、急速に普及が進む生成AIの取り扱いで、合意案では事業者に対し、EU著作権法の順守やシステム開発に利用した著作物データの要約開示などを求め、透明性を確保することになった。