米PCE価格指数、1月は前年比2.4%上昇 伸び約3年ぶり低水準

[ワシントン 29日 ロイター] – 米商務省が29日発表した1月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比2.4%上昇した。伸びは前月の2.6%から縮小し、2021年2月以来の低さとなった。伸びは前月比では拡大したものの、連邦準備理事会(FRB)は6月に利下げに着手する軌道から外れないとみられる。

前月比では、サービス価格の上昇を背景に0.3%上昇。昨年12月は0.1%上昇と、従来の0.2%上昇から改定された。

1月は前年同月比と前月比が共にロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「経済は軌道から外れておらず、1月のインフレ懸念は継続しそうにないため、FRB当局者らは引き続き6月会合で最初の利下げを検討する公算が大きい」と述べた。

1月はモノが0.2%下落した。エネルギーが1.4%下落し、食品の0.5%上昇を相殺した。

1月のデータからは、自動車や家具などへの支出が減少し、個人消費の伸びが鈍化したことも示された。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比2.8%上昇。伸びは12月の2.9%から縮小し、21年3月以来の低さとなった。

前月比では0.4%上昇し、昨年2月以来の大幅な伸びとなった。12月は0.1%上昇で、当初の0.2%上昇から下方改定された。

サービスは0.6%上昇と12月の0.3%上昇から加速。住宅費と公共料金の0.6%上昇が押し上げた。金融サービス・保険も1.3%上昇。株高を反映したとみられる。飲食費や宿泊費、娯楽、ヘルスケアも上昇した。

FRB当局者が「スーパーコア」として注目する住宅・エネルギーを除くPCEサービスは前年比3.5%上昇し、12月の3.2%上昇から伸びが加速した。前月比でも0.6%上昇した。12月は0.3%上昇だった。

米国の経済活動の3分の2以上を占める個人消費支出は0.2%増。12月は0.7%増だった。インフレ調整後では0.1%減。12月は0.6%増だった。

個人所得は前月比1.0%増、賃金は0.4%上昇した。

貯蓄率は12月の3.7%から3.8%に上昇した。

PNCフィナンシャル(ピッツバーグ)のチーフエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「雇用と賃金の伸びが鈍化するため、消費支出は23年よりも緩やかなペースではあるものの、24年にかけて徐々に増加し続ける」と指摘。「景気拡大は年内から来年にかけて続くだろう」と述べた。