▽FRB、年内3回利下げ予想堅持 全体的にはタカ派に=金利・経済見通し<ロイター日本語版>2024年3月21日午前 4:10 GMT+9

FRB、年内3回利下げ予想堅持=金利・経済見通し
  • まとめ

[ワシントン 20日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が20日に発表した金利・経済見通しによると、FRB当局者は依然として今年3回の利下げを見込んでいるが、全体的には前回の見通しを発表した昨年12月時よりもタカ派的な見方が強まっている。

FRB当局者19人のうち9人が今年3回、9人が2回以下の利下げを予想。予想中央値よりも大幅な利下げを想定したのは1人のみで、12月時の5人から減少した。

新たな見通しは、インフレ率が目標の2%を下回るほど失速したり、再加速したりしないよう、当局者が政策金利をより長期にわたりより高水準に維持する傾向が強いことを示唆している。

2025年末の政策金利の予測中央値は3.9%と、来年には0.25%ポイントの利下げが3回実施されることを示した。12月時の25年末の予測中央値は3.6%だった。

FRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の見通しは24年末で2.4%、コアPCE価格指数の見通しは24年末で2.6%。12月時点の見通しでは両指数とも2.4%だった。

25年末のPCE価格指数見通しは2.2%。12月時は2.1%だった。

経済成長率見通しは24年で2.1%。12月時は1.4%だった。25年も前回見通しの1.8%から2.0%に修正された。

失業率に関しては現在の3.9%から24年末に4.0%に上昇する見通し。12月時の見通しは4.1%だった。25年末の見通しは4.1%とした。

政策金利の長期見通しの中央値は2.6%。前回は2.5%だった。

FRBが発表した金利・経済見通しは以下の通り。

●FF金利見通し中央値(カッコ内は前回見通し)

*24年末:4.6%(4.6%)

*25年末:3.9%(3.6%)

*26年末:3.1%(2.9%)

*長期:  2.6%(2.5%)

●24年の利下げ幅は現在の水準から0.75%ポイントに達すると予想、25年にさらに合計0.75%ポイントの利下げを想定

●政策担当者19人中9人が24年の金利見通し中央値4.6%を上回ると予想

●24年に0.25%ポイントの利下げ回数が3回を上回ると予想した政策担当者は1人のみ

●24年末のPCE価格指数見通しは2.4%と12月時から変わらず、コアPCE価格指数は2.4%から2.6%に修正

●24年の国内総生産(GDP)成長率は1.4%から2.1%に修正、失業率は12月時の4.1%から4.0%に修正

▽FRB、バランスシートの縮小ペース鈍化に近づく=パウエル議長<ロイター日本語版>2024年3月21日午前 6:11 GMT+9

Michael S. Derby

FRB、バランスシートの縮小ペース鈍化に近づく=パウエル議長

[20日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は20日、FRBがバランスシートの縮小ペースを鈍化させる日が急速に近づいていると述べた。

連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「かなり早い時期に(バランスシートの)縮小ペースを鈍化させることが適切になる」と指摘。ただ、その具体的な時期については明言せず、当局者が現在この問題について議論していると述べるにとどめた。

また、縮小ペースを鈍化させることで、FRBは保有資産の規模をより大幅に圧縮できる可能性があると言及。早すぎる縮小で起こり得る「摩擦を回避できるため、実際にはより低い水準に到達できるかもしれない」とした。

さらに、FRBが保有する債券の最終的な水準は通常のボラティリティーやストレス時を乗り切るのに十分な銀行セクターの流動性の水準を想定しているとした一方、量的引き締め(QT)を停止する際に参考となる簡単な目安はないとし「金額や国内総生産(GDP)比などそのようなものに目を向けるべきではない」と警告した。

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