David Voreacos、Muyao Shen

  • 没収デジタル資産、通常は犯罪被害者への救済と法執行のため売却
  • ビットコイン売却せずとの姿勢、没収法の核心部分に矛盾と専門家

トランプ前米大統領が暗号資産(仮想通貨)ビットコインの国家備蓄創設を選挙公約に掲げたことを巡って、元検察官らの間で懸念の声が上がっている。犯罪被害者の補償に充てられるべき没収資産が備蓄へと回される恐れがあるためだという。

  トランプ氏は7月27日に開催されたビットコイン会議で、自身が返り咲きを果たせば、米政府が保有する、あるいは今後取得するすべてのビットコインを持ち続け、「莫大な富をすべての米国人に利益をもたらす恒久的な国家資産に変える」と表明した。

トランプ氏、「米国を仮想通貨の首都に」-SEC委員長解任を約束

  米国の没収関連法では、米政府は犯罪被害者への救済と法執行を支援するために、没収資産を売却すると定めている。そのため「ビットコインを決して売らない」とするトランプ氏の方針は、没収法の核心部分に抵触する可能性があると専門家は指摘している。

  元連邦検察官でインサイト・コンサルティングのプリンシパルを務めるアマンダ・ウィック氏は「その『備蓄』の多くは、ハッキングやランサムウエア、詐欺の被害者のものである可能性が高い」と指摘。「被害者に還元されるべき資金だ。その点を知っていれば、仮想通貨のコミュニティーも、ビットコインを備蓄するために被害者を犠牲にすべきだとは言わないだろう」と述べた。

  大統領在任中には仮想通貨について懐疑的な見方を示していたトランプ氏だが、ここにきて一転して「親クリプト」を鮮明にしている。11月の米大統領選は接戦が予想されており、仮想通貨支持派からの献金を求めている。トランプ陣営は、本記事に対するコメントの要請に応じていない。

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Key Speakers At The Bitcoin 2024 Conference
ビットコイン会議で登壇したトランプ氏Photographer: Brett Carlsen/Bloomberg

原題:Trump’s Plan for US Bitcoin Stockpile Alarms Forfeiture Experts(抜粋)