▽トランプ大統領、パウエルFRB議長批判を再開-就任100日で演説

Gabriella Borter、Jennifer A Dlouhy

  • 金利についてはパウエル氏よりも「私の方が良く分かっている」
  • 日本を愛しているが、自動車は米国で生産してほしいとも発言

トランプ米大統領は29日、2期目就任100日に当たりミシガン州で演説し、パウエル連邦準制度理事会(FRB)議長をあらためて批判した。イベントでは自身の経済政策と関税措置を自賛した。

  トランプ氏は「連邦準備制度の当局者があまり良い仕事をしていないのにもかかわらず、インフレ率は基本的に低下して金利は下がっている」と話した。

President Trump Delivers Speech In Michigan To Mark 100 Days Of His Presidency
ミシガン州でのイベントに臨んだトランプ米大統領(4月29日)Photographer: Scott Olson/Getty Images

  トランプ氏は米金融当局が利下げをせずにいることに批判を繰り返した後、パウエル議長解任の意図を先に否定したが、この日は再度、批判の矛先を向けた。

  投資家はトランプ氏の関税措置の影響に加え、パウエル議長を巡る大統領の動静にも懸念を抱き、市場に動揺が広がった経緯がある。

  トランプ氏は「連邦準備制度を批判するつもりはない」とし、パウエル議長に「任務を遂行してもらうつもりだ」としつつも、「金利については彼よりも私の方が良く分かっている」と話した。

  このほかトランプ氏は連邦議会に対し、政権が推進する包括的な減税法案の可決を促した。法案には政権1期目の2017年に成立し今年末に期限を迎える減税の延長のほか、チップや残業代、社会保障給付への課税撤廃などが含まれる。

  こうした法案には共和党議員から造反の動きがあるかもしれないが、そのような議員は改選時に予備選段階で排除されるようにすべきだと、トランプ氏は論じた。

  演説の多くは不法移民の強制退去でこれまでの成果を強調したり、野党民主党を攻撃したりする内容だったが、重点施策である関税措置も自賛した。経済成長を促進して、製造業を米国に回帰させるのに不可欠だと訴えた。

  具体的には、「誰もがミシガン州に戻って、再び自動車を生産したがっている。理由をご存じだろうか。それはわれわれの税・関税政策のためだ」と語った。また、自動車生産に関し、「われわれは日本を愛しているが、日本では生産してほしくない。ここで生産してほしい」と発言した。

原題:Trump Bashes Powell, Touts Tariffs at Rally Marking 100 Days (1)
Trump Says ‘Fed Person’ Not Really Doing A Good Job(抜粋)