▽プーチン氏と昭恵さん面会 “関係修復望む勢力” ロシア報道官

ロシアのプーチン大統領が安倍元総理大臣の妻の昭恵さんと面会したことに関連して、大統領府の報道官は「日本には、ロシアとの関係修復が必要だと考えている勢力も残っている」と述べました。プーチン大統領としては、昭恵さんを歓待することでウクライナ侵攻で悪化した日本との関係改善に取り組む用意があると強調するねらいがあったとみられます。

ロシアのプーチン大統領は29日、クレムリンを訪れた安倍元総理大臣の妻、昭恵さんに対して花束を渡して歓迎したあと「安倍元総理がロシアと日本の協力関係の発展に果たした貢献を忘れることはない」などと述べました。

ロシア大統領府は、面会の様子だけでなく、昭恵さんが大統領の専用車両となっているロシア製の自動車アウルスに乗ってボリショイ劇場に移動する様子も動画で公開しました。

この面会に関連し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は30日、記者団に対し、「日本は、ロシアと対立する道を選んだ」と述べ、経済制裁を科している日本を批判した一方で「日本には今の政権の立場を近視眼的と考え、ロシアとの関係修復や対話の再開を必要だと考えている勢力も残っている」と述べました。

プーチン大統領としては、アメリカのトランプ政権との間で外交関係の正常化に向けて協議を始める中、昭恵さんを歓待することで、ウクライナ侵攻で悪化した日本との関係改善にも取り組む用意があると強調するねらいがあったとみられます。

この面会について林官房長官は30日の記者会見で「政府として安倍昭恵夫人とやり取りはしておらず、コメントする立場にはない」と述べました。