By Yimou Lee

台湾総統、双十節演説で「台湾ドーム」構想発表へ 防衛力を強化

[台北 9日 ロイター] – 台湾の頼清徳総統が、台湾が「建国記念の日」と位置づける10日の「双十節」式典の演説で、中国に対する防衛力を強化するための高度な包括的防空システム構想を発表する見通し。4人の関係者が明らかにした。

中国は、自国領土とする台湾に対する軍事・政治的圧力を強めている。台湾は防衛費を増やし軍隊の近代化を進めているものの、ステルス戦闘機や空母、大量のミサイルなどを拡充する中国が格段に大きい軍事力を保有する。

関係者の1人によると、頼氏は「台湾ドーム」と呼ばれる防空システム構想を発表する。内外で製造された装備を「包括的にシステム統合」し、ドローン(無人機)やロケット、ミサイル、軍用機などによる複合的な脅威への対応に役立つという。イスラエルの防空システム「アイアンドーム」のように、新システムによって台湾がより「強靭(じん)かつ正常」な運営が可能になると説明した。新システムの計画は策定中で「初期統合」がやがて始まるとしたが、詳細には触れなかった。

別の当局関係者は、頼氏は防衛費増額と社会の対応力強化によって平和を維持しつつ、具体的な取り組みにより「台湾海峡の現在の平和と安定を、責任を持って維持する」との決意を示すという。

中国は今週、頼氏がインタビューでトランプ米大統領を称賛したことに関して、外国の歓心を買うための発言だとして非難した。昨年の同記念日の頼氏による演説の直後には、「分離主義的な行為」に対する警告だとして台湾周辺で軍事演習を行った。