政府は16日に開催された日本成長戦略会議で、先に決めていた重点投資17分野のロードマップ素案を提示した。17分野のうち優先的に投資を行う34製品・技術の投資見通しなどをまとめたもの。例えば世界中の関心の的になっているAI・半導体投資については、達成すべき戦略的目標として次のような記述が盛り込まれている。「産業や行政の現場とAIの双方を理解してAXを推進できるAI実装人材を大規模に育成」、「日本国内で、計算資源、データインフラ、基盤モデルの開発能力を確保。AIエージェントを含めてバーティカル(領域特化型)AIの開発や社会実装を担う日本企業群を創造」「領域別に、①データ創出・利用の促進と、必要に応じたデータ構造の標準化や、②AIエージェントに即したルール・制度の整備を推進。領域間の連携で成果を積極的に横展開」など。日本のAI開発は米国や中国などに比べ出遅れ感が指摘されている。これを巻き返すために領域特化型のAI開発を促進し、「AIエコシステム全体を通じてAI主権を戦略的に確保することを目指す」とある。
目標の次に必要なのは、それを実現するための手段。官民投資の具体像として次のような道筋が盛り込まれている。
①投資内容
(需要サイド)
重点領域を中心とした、産業や行政におけるバーティカルAI導入、データや人材を含めたAI基盤投資。新事業投資、産業の革新、再編投資
(供給サイド)
重点領域を中心とした研究開発やそれに必要なAI基盤の整備への投資※。AIの安全性・セキュリティ評価に関する投資
※先端人材、モデルやエージェント、オープンウェイトモデルのファインチューニング、アプリケーシ
ョン
②投資額・時期
官民投資ロードマップの取りまとめまでに提示
肝心な投資額はまだ未記入の状態。6月に取りまとめる最終報告書までに具体化する。素案にはこうした記述が34製品・技術について盛り込まれている。量的には171ページに及ぶ膨大なもの。各テーマには最後に「方向性」という項目もある。「現状認識と日本の強み」とサブタイトルがついている。課題を列挙した後に「講じるべき施策(我が国の勝ち筋)」と続き、最後に「目指すべき姿」が提示されている。AIについては「2035年までに国内サイバーセキュリティ企業の売上高を足下から3倍増を目指す(約0.9兆円⇒約3兆円超)」「我が国の自律性を確保しながら、国内で必要なサイバーセキュリティ製品・サービスを供給できる基盤が確立する」と記載されている。2035年までの残り時間はあと9年。その時日本の政治や経済はどうなっているのだろう・・・。