- トランプ氏、ホルムズ海峡で機雷敷設船への攻撃を命令
- 米軍、インド洋で制裁対象の超大型タンカーに乗り込み
Omar Tamo、Eltaf Najafizada、Kate Sullivan
米国とイランの間で、ホルムズ海峡を巡る緊張が一段と高まっている。エネルギー輸送の要衝である同海峡で双方が封鎖を続けるなか、和平交渉の見通しは立っていない。
トランプ米大統領は23日、ホルムズ海峡で機雷を敷設する船舶を攻撃するよう海軍に命じた。また米軍は、イランの港に出入りする船舶に対する海上封鎖を回避しようとした超大型タンカーを、インド洋で阻止したと明らかにした。米軍は22日夜から23日朝にかけて「制裁対象の無国籍船」に乗り込んだと、国防総省がX(旧ツイッター)への投稿で発表した。
イランが22日に商船に発砲し、少なくとも2隻を拿捕(だほ)したと発表したことを受け、ホルムズ海峡の通航はほぼ停止状態となった。イランによる拿捕は約8週間に及ぶ戦争で初めてだった。
トランプ氏は23日のSNS投稿で、イランが和平に積極的でないのは指導部内の対立が原因だとの持論を改めて展開。強硬派と穏健派の間で争いが続いていると述べた。そのうえで、ホルムズ海峡については「米海軍の承認なしに、いかなる船舶も出入りできない」とし、「イランが合意に至るまでは『完全に封鎖されている』状態だ」と強調した。
ホルムズ海峡はほぼ2カ月にわたり事実上の閉鎖が続いており、世界経済への影響を巡る懸念が一段と強まっている。戦争開始前には、世界の原油および液化天然ガス(LNG)の約5分の1が同海峡を通過していた。

ブルームバーグ・エコノミクスの防衛担当責任者、ベッカ・ワッサー氏はリポートで「戦争はホルムズ海峡を中心とする新たな局面に入った」と指摘。「米国の封鎖は今後も維持される可能性が高い。ただ、イランを経済的に圧迫して屈服させるという戦略目標の達成は見込みにくい。国家の存亡が懸かる局面では、イランは痛みに対する耐性が大きい」と記した。
トランプ氏は戦争を終結させる合意にイランが応じた場合にのみ、封鎖を解除する考えを示している。
23日の米金融市場では原油相場が上昇。北海ブレント原油先物は一時1バレル=105ドルを上回った。株式相場は総じて軟調。海峡閉鎖の長期化がインフレを押し上げ、経済成長を鈍らせるとの懸念が広がっている。
ホワイトハウスは、封鎖によりイランの原油輸出が大きく制限されていると説明している。イランが1日当たり5億ドル(約800億円)の損失を被っていると主張しているが、この数字の根拠は示していない。
原題:US-Iran Tensions Build Over Hormuz in Absence of Peace Talks (3)