- リスク選好強まる、業績も堅調-AMDは18%高で半導体株の上昇主導
- 原油大幅安、WTIは95.08ドル-円はアジア時間に155円04銭まで上昇

6日の米株式相場は大幅高。S&P500種株価指数は過去最高値を更新した。米国とイランが戦争終結に向けて合意に近づきつつあるとの見方から原油価格が下落し、世界的な株高となった流れを引き継いだ。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 7365.12 | 105.90 | 1.46% |
| ダウ工業株30種平均 | 49910.59 | 612.34 | 1.24% |
| ナスダック総合指数 | 25838.94 | 512.81 | 2.02% |
リスク選好の強まりに加え、堅調な企業業績も相場を押し上げた。
前日の通常取引終了後に強気な業績見通しを発表したアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は18%高と急騰。半導体株の上げを主導した。
事情に詳しい関係者によると、米国が提示した1ページの覚書は、イランが受け入れれば、ホルムズ海峡の段階的な再開とイランの港湾に対する米国の封鎖解除につながる内容だ。
トランプ米大統領は「これまでの協議は非常に順調だ」と、ホワイトハウスで記者団に述べ、「合意に至る可能性は十分にある」との認識を示した。
PBSとのインタビューでも、イラン戦争が「終結する可能性は非常に高い」と発言。来週予定している中国訪問の前に終わることも「あり得る」と述べた。
ペッパーストーンのマイケル・ブラウン氏は「緊張緩和に向けた道筋が維持されている」と指摘。「その道のりが平たんでないのは明らかだが、この流れが続き、より楽観的な方向性が保たれる限り、リスク選好は下支えされるだろう」と述べた。
セントルイス連銀のムサレム総裁は6日、経済と金融政策の先行きには大きな不確実性があると指摘した。その上で、リスクは雇用よりもインフレの面で高まっているとの見方を示した。
外為
外国為替市場ではドル指数が低下。欧州時間帯に一時0.9%下げ、2月18日以来の安値水準を付けた。ただ、戦争終結に向けた米国の提案に対するイランの正式な回答を待つ中、ニューヨーク時間に入って下げを縮小した。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1188.83 | -6.59 | -0.55% |
| ドル/円 | ¥156.39 | -¥1.49 | -0.94% |
| ユーロ/ドル | $1.1749 | $0.0056 | 0.48% |
| 米東部時間 | 16時58分 |
バンク・オブ・ナッソー1982のチーフエコノミスト、ウィン・シン氏は米国が提示した覚書を受けて「今の段階でシャンパンを開けるのは時期尚早だ」と指摘。「当面は氷で冷やしておくくらいがいいだろう」と述べた。

欧米の取引時間帯に円は対ドルで1ドル=155円台後半から156円台前半での推移となった。アジア時間に一時、前日のニューヨーク時間終値と比べて1.8%高い155円04銭まで上昇し、2月24日以来の高値を付けた。急騰前の取引では一時157円94銭まで売られていた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の市場戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は「この急速な値動きは、日本当局が広範なドル安の流れに乗じて介入を行ったことを一部反映している可能性がある」と述べた。
フランク・ベンジムラ氏らソシエテ・ジェネラルのストラテジストは、日本当局が「ドル・円の下落を後押しすることを決意した可能性がある」とした上で、その水準について「過去の調整時のような140円台ではなく、150円台となるかもしれない」とリポートで指摘。
「日本にとっては再びデフレ圧力を強めるような通貨高は望ましくない一方で、現状のような極端に過小評価された水準が是正されることには一定のメリットがある」と分析した。

米国債
米国債相場は上昇(利回り低下)。エネルギー価格下落に伴うインフレ期待の低下で、利上げ観測が後退したことが背景にある。債券相場は世界的に上昇した。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.94% | -5.2 | -1.04% |
| 米10年債利回り | 4.35% | -7.5 | -1.70% |
| 米2年債利回り | 3.87% | -7.4 | -1.89% |
| 米東部時間 | 16時58分 |
米10年債利回りは一時9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、4.33%を付けた。
この日の利回りの動きは、中東原油の供給再開につながる和平合意の兆しに対し、相場が上昇しやすい傾向にあることを浮き彫りにした。
ナティクシスの金利ストラテジスト、ブノワ・ジェラール氏は「市場は事態打開を強く望んでおり、仮に出所不明の報道であっても、わずかなニュースを受けて利回り曲線に反映させている」と指摘。「現段階では慎重であるべきだ」と付け加えた。
TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ヤン・ネブルジ氏は「紛争終結が実現すれば、原油価格は引き続き落ち着き、インフレ期待は一段と低下し、金利低下には追い風となるだろう」と述べた。

米財務省はこの日、四半期定例入札に関し、中長期債の入札規模を「少なくとも向こう数四半期にわたって」変更しない見通しとのガイダンスを維持した。ディーラーの間では変更されるとの予想が多かった。
米国債相場はこのニュースが伝わった後、上昇を維持した。入札規模の拡大が必要になる時期を想定より先送りしたためだ。
一方、BNPパリバの米金利戦略責任者グニート・ディングラ氏は「今回のわずかなポジティブサプライズは、利回り上昇の勢いを抑えるほどの意味合いはない」と指摘。
米30年債利回りは先週、昨年7月以降で初めて5%を上回った。ディングラ氏は、こうした状況に対して米財務省が強力な措置を講じなかったとし、より不安定な利回り上昇や利回り曲線のスティープ化につながる可能性を指摘した。
原油
原油相場は大幅続落。約10週間続いた戦争の終結に向け、米国の新たな提案をイランが検討しているとの報道が材料となった。
指標となる北海ブレント原油は約8%下落して取引を終えた。米国の代表的な油種ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)も7%余り下げた。欧州の天然ガス価格は最大14%下落した。
米ニュースサイトのアクシオス報道によると、米国とイランは戦争終結に向け1ページの覚書で合意に近づいている。この覚書には、ホルムズ海峡の封鎖を双方が解除する内容が含まれる見通しで、現時点でまだ合意には至っていない。米国は48時間以内にイランから回答があるとみている。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのトレーディング担当シニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は「市場は和平合意を織り込もうとしているが、詳細に関する情報が次々と変わるため苦戦している」と述べた。さらに、商いが薄いこともあり、値動きが増幅されやすいと指摘した。
ブレント原油は2月末に米国とイスラエルがイランに対する攻撃を始めて以降、約40%値上がりした。海上交通の要衝であるホルムズ海峡はイランが船舶の航行を妨げる一方、米国はイランの港湾への船舶のアクセスを阻止する二重封鎖状態にあり、ペルシャ湾から世界への原油供給が停止している。
6日公表の政府統計では、米国の原油在庫の減少が続いていることが示された。中東からの供給混乱を補うため、国外の買い手が米国産原油への依存を強める中で、米在庫統計への注目が高まっていた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比7.19ドル(7%)安の1バレル=95.08ドルで終了。北海ブレント先物7月限は8.6ドル(7.8%)下落して101.27ドルで終了した。
金
金と銀は約1カ月ぶりの大幅上昇。米国とイランの合意期待の高まりを背景に、原油価格が下落し、インフレ期待が後退したことが材料視された。
金スポットは一時3.7%上昇し、1オンス=4700ドルを上回った。銀も最大6.8%上昇した。エネルギー価格の下落は債券利回りを押し下げ、ドルもイラン戦争前の水準に下げた。金は利息を生まずドル建てで取引されるため、これは追い風となる。米国とイランの合意期待を背景にリスク選好が高まり、株式も世界的に上昇した。
INGグループの商品ストラテジスト、エワ・マンゼイ氏は、インフレ懸念が和らぐ中、金の投資家は米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を長期間引き締め気味の水準で維持するのではなく、利下げに向かう可能性に賭けていると述べた。金は通常、低金利環境でパフォーマンスが高まりやすい。

イラン戦争開始以降、金は約11%下落している。ホルムズ海峡の事実上封鎖とそれに伴うエネルギー価格の急騰により利下げ期待が後退し、利息を生まない金には逆風となってきた。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時50分現在、前日比129.53ドル(2.8%)高の4686.45ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は125.80ドル(2.8%)高の4694.30ドルで取引を終えた。
欧州
6日の欧州株は約1カ月ぶりの大幅上昇。米国とイランが合意に達する可能性があるとの楽観が広がった。
ストックス欧州600指数は2.2%上昇。米国はイランへ覚書を提示。それによれば、イランがこれを受け入れれば、ホルムズ海峡の段階的な再開とイランの港に対する米国の封鎖解除につながる。
関連記事:イラン、米国提案の覚書を検討-トランプ氏は攻撃再開に触れ合意迫る
業種別では航空関連銘柄を中心に旅行株が上昇した。一方、原油の下落につれてエネルギー銘柄は売られた。
欧州債は総じて上昇。イランは米国からの新たな提案を検討している。ただ、トランプ米大統領がイランが合意しなければ爆撃を再開するとの姿勢を示すと、上げ幅は縮小した。
ドイツ、フランス、英国の2年債利回りはいずれも11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上低下した。
| 為替 | スポット価格 | 前営業日 |
|---|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1744 | 1.1693 |
| ドル/円 | 156.44 | 157.88 |
| ユーロ/円 | 183.72 | 184.62 |
| 株 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ストックス欧州株600 | 623.25 | +13.53 | +2.22% |
| 英FT100 | 10,438.66 | +219.55 | +2.15% |
| 独DAX | 24,918.69 | +516.99 | +2.12% |
| 仏CAC40 | 8,299.42 | +237.11 | +2.94% |
| 債券 | 直近利回り | 前営業日比 |
|---|---|---|
| 独国債2年物 | 2.57% | -0.11 |
| 独国債10年物 | 3.00% | -0.06 |
| 英国債10年物 | 4.94% | -0.12 |
原題:Stocks Hit All-Time Highs on Hopes War Is Near End: Markets Wrap
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