
自民党内で高市早苗首相(総裁)を支える議員グループが麻生太郎副総裁を中心に発足する。複数の党関係者が明らかにした。7日に党所属国会議員に参加を呼び掛ける。麻生氏のほか昨秋の総裁選で首相の対抗馬だった茂木敏充外相や小泉進次郎防衛相、小林鷹之政調会長も発起人に名前を連ねる。首相が皇室典範や憲法改正などの重要課題に取り組むにあたり、党としての支援態勢を強化する狙いだ。
「JAPAN IS BACK」
グループの名称は「国力研究会」(JiB)。首相が令和5年11月に立ち上げた勉強会「『日本のチカラ』研究会」の成果物として、6年8月に出版した『国力研究 日本列島を、強く豊かに。』(産経新聞出版)から取った。JiBは総裁選で首相がスローガンとして掲げた「JAPAN IS BACK」の略。
今月21日に初会合を開き、講師にはグラス駐日米大使を招く予定だ。首相本人は参加しない。
設立趣意書では、「政府与党は一体となって、国民に約束した公約の実現に邁進しなければならない」と強調。「有志による政策研究を通じて政府と連携しながら(ビジョン推進を)力強く支援」することを目的に、議員グループを設立するとしている。
設立の背景には、自民内で新たなグループが相次いで誕生し、旧派閥の会合も活発になっていることがある。首相には支持グループはあるが、幅広い勢力を取り込めておらず、党内基盤は盤石とはいえない。
大きなテーマを網羅
しかも官邸、党とも目先の課題への対応に追われ、憲法や皇室典範、対米、対中戦略といった大きなテーマを網羅的に話す機会が実はないという。発起人の一人は「官邸と党の認識ギャップが広がると、党内に『反高市』勢力が出てくる危惧がある。官邸が進めようとしている政策を党側が理解し、一体となって推進する場が必要だ」と説明する。
党関係者によると、麻生氏が発起人の中心となることで茂木氏や小泉氏、小林氏も名前を連ねることについて同意した。来年の総裁選出馬への意欲を明確にしている林芳正総務相には、声をかけなかったという。
首相は石井準一参院幹事長が新グループを設立したことを警戒しているが、発起人には松山政司参院議員会長も加わっており、石井氏を牽制する意味合いもありそうだ。(特別記者 有元隆志)