• 4月の非農業部門雇用者数は11.5万人増、市場予想6.5万人増
  • 失業率4.3%で変わらず、労働参加率61.8%に低下-21年以来の低水準
カリフォルニア州でのジョブフェアの様子
カリフォルニア州でのジョブフェアの様子Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

Augusta Saraiva

4月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は2カ月連続で市場予想を上回る伸びとなった。失業率は4.3%で前月と変わらず。イラン戦争に伴いエネルギーコストが上昇している中で、労働市場の底堅さが示された。

キーポイント
非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比11万5000人増加
エコノミスト予想の中央値は6万5000人増
3月は18万5000人増(速報値は17万8000人増)に上方修正
家計調査に基づく失業率は4.3%市場予想は4.3%
3月は4.3%

  非農業部門雇用者数は月ごとに増減を繰り返してきており、2カ月連続での増加はおよそ1年ぶり。2カ月間の伸びとしては2024年以来の大きさとなった。

  昨年の雇用者数は伸びがほぼゼロだったが、今回の統計は労働市場が勢いを取り戻しつつあることを示している可能性がある。幅広い業種で採用が進んでいるほか、レイオフが低水準にとどまっていることを示す他の指標とも整合的だ。

  フィッチ・レーティングスの米経済調査担当責任者、オル・ソノラ氏は「1年近くにわたり雇用者数の不安定な状態が続いたが、2カ月連続で10万人を超える伸びとなったのは、間違いなく良いニュースだ」とリポートで指摘。「労働市場は活況とは言えないが、多くの人が懸念していたほど脆弱(ぜいじゃく)でないことが示されている」と述べた。

  今後の焦点は、イラン戦争が雇用に影響を及ぼし始めるかどうかだ。戦争は既にインフレを押し上げており、消費者マインドが過去最低水準に落ち込んでいる。

  減税が個人消費や企業投資への追い風になっているものの、家計の需要が減退する、ないし投入コストの上昇が続けば、企業は労働時間の削減や人員調整を迫られる可能性がある。

業種別の増減

  4月は業種別では特に、医療と運輸・倉庫、小売りで雇用が拡大した。運輸・倉庫と小売りはいずれも2024年以来の大幅な伸びとなった。

  宅配便・メッセンジャーサービスは約3万8000人増と、2020年以来の大きな伸び。一方、製造業は小幅に減少した。

  建設と娯楽・ホスピタリティーは2カ月連続で増加した。2月は冬場の厳しい天候が採用活動を妨げていた可能性がある。

  エコノミストらはまた、住宅建設が金利高止まりの影響で引き続き抑制される一方、データセンター建設が今年の建設業界の労働需要を押し上げると予想している。

  ジップリクルーターのエコノミスト、ニコール・バショー氏は、2025年は「医療分野での雇用増が他分野での減少を補っていた」とリポートで指摘。「現在の労働市場は、より均衡の取れた状態になりつつある」と分析した。

  ただ、メタ・プラットフォームズやマイクロソフトなどのハイテク大手は、人工知能(AI)への巨額投資を一因として人員削減計画を打ち出している。情報業界の雇用は4月に16カ月連続で減少した。

  雇用統計の発表後、米国株は上昇。ドル指数は下げを維持し、は上昇幅を拡大した。

産業部門回復の可能性

  ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン氏らは「細部を見ると、今回の雇用統計で最も興味深いのは、4月の雇用増加分の半数余りを占めた運輸セクターだ」と指摘。

  「購買担当者指数(PMI)や地区連銀の製造業調査で最近示されている強い指標と整合的であり、産業部門が力強く回復しつつある可能性を裏付けている」と述べた。

  雇用統計は事業所調査と家計調査から成るが、家計調査で集計された就業者数は4カ月連続の減少となった。

  労働参加率は61.8%と、21年10月以来の水準に低下。主に55歳以上の層で低下した。

  「U6」と呼ばれる不完全雇用率(フルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいとは考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる)は8.2%で、今年に入ってからの最高水準。

  20-24歳の失業率は7.6%へと大きく上昇。黒人の失業率は7.3%に上昇した。

  平均時給は前月比0.2%増(市場予想0.3%増)、前年同月比3.6%増(同3.8%増)で、いずれも市場予想を下回った。週平均労働時間が増え、手取り収入を押し上げた。

  統計の詳細はをご覧ください。

原題:US Jobs Rise 115,000 in Strongest Two-Month Gain Since 2024 (2)(抜粋)