- 中国の4月輸出、AI関連製品がけん引-半導体100%増
- 半導体の自給率上昇、対中規制緩和の可能性も-ANZ

米国と中国の経済はなおデカップリング(分断)に向かっている可能性があるが、両国はいずれも同じ要因から成長の勢いを得ている。
人工知能(AI)主導の企業投資ブームが今年1-3月(第1四半期)の米経済成長を支えたのと同様に、ゴールドマン・サックス・グループと野村ホールディングスの推計によれば、中国では半導体やコンピューターなどAI関連製品の国外販売が、4月の輸出増加分の約半分を占めた。
中国の輸出総額は4月に前年同月比14%増の3590億ドル(約56兆5600億円)と、月間ベースで過去最高に達した。1時間当たり平均で約5億ドルを稼いだ計算になる。
最新の税関統計によると、半導体輸出は100%急増し、ノートパソコンやタブレット端末、その部品を含む自動データ処理機器の販売は47%増えた。AIは中国の輸入にも変化をもたらしており、外国製ハイテク製品の購入は42%増となった。

今週北京で中国の習近平国家主席との首脳会談を予定しているトランプ米大統領は、中国の輸出を押し上げ、韓国や台湾などアジアの主要経済を支えている投資ブームを後押ししてきた。アルファベットやメタ・プラットフォームズなどの米巨大テクノロジー企業は、主にAIデータセンター設備に今年だけでも最大7250億ドルを投じる計画だ。

米中の経済的な分断は依然として進行中で、技術規制や制裁などの障壁が残っている。トランプ政権の関税は昨年の最大145%から引き下げられたものの、中国の輸出全体に占める米国向けの割合は約9%と過去最低水準に落ち込み、2017-18年につけたピークの約半分となっている。
しかし、AIを巡る貿易の急拡大は、世界の二大経済大国である米国と中国が、グローバルなテクノロジー供給網を通じてなお結びつきを保っている実態を浮き彫りにする。
スタンダードチャータードのエコノミストの分析によれば、米国がAI投資で各国をリードする一方、中国は昨年、AI関連製品の世界最大の供給国として台頭した。ただし先端半導体など一部の重要技術では依然として純輸入国の立場にある。
第2次トランプ政権下で、中国の半導体の輸出額はおおむね倍増し、4月には初めて310億ドルを上回った。ベース効果の影響はあるものの、2025年の大半で2桁減が続いた後、中国の対米輸出は1年余りで最大の伸びを記録した。
同様に、韓国や台湾の半導体販売もここ数カ月で急増している。

米国の輸出規制は長年、米中通商協議における争点となってきた。中国の米国技術取得を制限する措置は昨年、対立を招き、中国は米国向けのレアアース輸出に制限を課した。
両国は10月、トランプ大統領と習主席の前回会談後に休戦合意を発表し、米国は一部の対中技術規制を1年間停止する代わりに、レアアースへのアクセス回復を確保した。これらの措置は今週の協議でも議題となる可能性が高い。
米国による輸出規制のため、中国は最先端部品を生産する技術力を持たないものの、いわゆるレガシーチップでは存在感を強めている。レガシーチップは旧来の技術を用いながらも、幅広い電子機器に不可欠だ。
モルガン・スタンレーによると、中国のAI向け半導体の自給率は5年前の10%から、2025年には推計41%にまで高まり、2030年には86%に達する見通しだ。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の楊宇霆氏らエコノミストは、「中国の輸出見通しは短期的には引き続き良好だが、長期的な見通しは技術的ボトルネックを克服できるかどうかに左右される」とリポートで指摘。特に高精度チップの開発が重要になるという。
その上で、「半導体の自給率が急速に高まれば、米国の対中半導体輸出規制が緩和される可能性がある」と分析。「これは米中間の商業関係が完全には断たれていないことを示している。両国の関係は全面的なデカップリングではなく、重要分野に限定した制約へと移行する可能性がある」と続けた。
原題:China Earns $500 Million an Hour From Exports Supercharged by AI(抜粋)