高市首相は、「新技術立国」の実現に向け、大学や国立研究施設などの研究費について「実質的に倍増」させる目標を設定する方針を固めた。高度な研究力を持つ大学を支援するための新たな認定制度の創設も目指しており、これらの方針を13日午後に表明した。人工知能(AI)や半導体など成長分野の技術力を強化する狙いがある。

 首相は13日午後、首相官邸で経団連幹部と会談した。経団連は研究開発への官民投資額を、2040年度に23年度の倍以上にあたる50兆円に引き上げることを柱とした提言書を手渡した。基礎研究支援のための政府の「科学研究費助成事業(科研費)」の早期倍増も求めた。

 これに対し、首相は「基礎研究力は国力に直結する」などと述べ、大胆な予算措置の検討を行う考えを伝達した。その上で、研究機器などの基盤整備を含め「研究費が実質的に倍増する形を目指す」などと表明した。

 科研費は近年、2500億円前後で推移しており、政府は27年度の予算編成に向けて大幅に増加させる方向で調整に入る。

 新たな大学の認定制度は、世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」に準じる高度な研究力を持つ大学群の形成を図るのが目的だ。高市内閣が掲げる「戦略17分野」を中心に、産業競争力強化に貢献し高度な経営を行う大学を認定し、重点的に資金を投じることを想定している。

 制度創設は政府の日本成長戦略会議の人材育成分科会でも、新技術の実用化などに向けた大学の中長期的な支援策として改革案に盛り込まれていた。

 首相は、成長戦略の一環として政府関係の研究開発機関が持つ新技術の社会実装を推進するため、国立研究開発法人「産業技術総合研究所(産総研)」の機能を拡充する方針も示した。経団連には、民間の研究開発投資の大幅拡充を求めた。

 首相は2月の施政方針演説で、研究基盤を強化し、技術革新を通じた経済成長や国際的地位の確保を達成する「新技術立国」を目指すと表明していた。