
[エルサレム/ベイルート 25日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は25日に公開したビデオメッセージで、イスラエルとレバノンの親イラン武装組織ヒズボラは戦争状態にあると述べ、攻撃を強化する方針を示した。
ネタニヤフ氏のビデオメッセージ公開後、イスラエル軍はレバノン東部ベカー高原にあるヒズボラの拠点を攻撃していると発表。4月16日のイスラエルのレバノン停戦合意以降、この地域はほとんど攻撃対象になっていなかった。
ネタニヤフ氏は24日、トランプ米大統領との電話会談でイスラエルがレバノンを含むあらゆる戦線で脅威に対処する権利を維持することで一致したと発言。こうした姿勢を25日夜に公開したビデオメッセージでも維持し「われわれはヒズボラと戦争状態にあり、攻撃を強化する」と表明し、「イスラエル軍はアクセルから足を離していない。さらに踏み込むよう指示した」と述べた。
ネタニヤフ氏の発言に対し、ヒズボラとレバノン政府は今のところコメントしていない。
ネタニヤフ首相はビデオメッセージで、レバノンの首都ベイルートに対する大規模な攻撃を再開するかは言及しなかったが、レバノンの治安筋によると、イスラエルによる攻撃再開への懸念から25日夜にベイルート南部郊外の住民が避難を開始した。ベイルート南部郊外は停戦合意前に数週間にわたり激しい空爆にさらされていた。
イスラエルとレバノンは米国の仲介による3回目の協議で、今月15日に停戦を45日間延長することで合意。米国務省によると、次回の協議は6月2─3日に実施される。ネタニヤフ首相がレバノンでの攻撃強化を表明したことが今後の協議にどのように影響するか現時点で分かっていない。
ネタニヤフ首相のビデオメッセージ公表に先立ち、イスラエルの極右閣僚、スモトリッチ財務相は、ヒズボラがイスラエル軍部隊やイスラエル北部に対する爆発物を搭載したドローン(小型無人機)による攻撃を強めていることを受け、ネタニヤフ首相に対しベイルートへの空爆を再開するよう要請していた。ただ、イスラエルのメディアは、ネタニヤフ首相はスモトリッチ氏の要求を退け、防衛的な措置を優先したと報じていた。
スモトリッチ氏は、24日にヒズボラのドローン攻撃によりイスラエル兵1人が死亡したことを受け、ヒズボラに対する攻撃を要請。「爆発物を搭載したドローン1機につき、ベイルートでは建物10棟を崩壊させるべきだ」と述べた。イスラエルのメディアによると、スモトリッチ氏は24日に開かれた閣議でも同様の発言をしていた。
イスラエルの極右政党党首のベングビール国家治安相も、爆発物を搭載したドローンによる攻撃の常態化を容認すべきではないと主張。「ネタニヤフ首相はトランプ大統領の机をたたき、イスラエルはレバノンでの戦闘に復帰すると伝えるべきときが来た」と述べていた。