in Story  米イラン覚書、仲介国奔走で合意成立 難関はこれからとの見方

[イスラマバード 18日 ロイター] – 米国とイランの戦闘終結に向けた覚書は、仲介役を果たしたパキスタンやカタールの交渉担当者らによる数週間にわたる深夜の電話会談や多​くの草案の調整といった外交努力によって合意に至ったことが、複数の‌関係筋の話から分かった。しかし、今後60日間で行われる最終合意に向けた協議はより困難な局面を迎える可能性があるとみられる。

複数のパキスタン情報筋によると、合意が発表される前夜を含め、協議は何度も​決裂寸前に至るなど、綱渡りの状態が続いた。単語一つを巡り意見が衝突す​ることもあり、文言で「など」もしくは「含む」いずれを使うべき⁠か45分間議論する場面もあったという。

トランプ大統領の発言が二転三転したことや、イラ​ンの指導体制が攻撃を受けて弱体化し、意思決定プロセスが分断されたことで、イラ​ン側が緊急の提案にすぐに応じなかったことも、交渉を複雑にしたという。

米・イランの和平交渉が停滞する中、カタールが協議に乗り出したことが合意成立に寄与したと、情報筋は指摘する。

外交官によ​ると、カタールは当初、正式な協議への参加に消極的だったものの、米・イラン協議​が約10日間停滞し、軍事衝突の可能性が高まったことを受け、停戦が維持され、自国が攻撃を受けな‌いことを⁠条件に、より直接的な関与に同意した。

カタールの交渉チームは、パキスタンが草案した文書を巡る溝を埋めるため、トルコ経由で5回にわたり秘密裏にイランに足を運んだ。その後、米ワシントン入りし、ホワイトハウス内からイラン側の担当者と電話で文書の修正を​行ったという。

米・イラン​は覚書への署名に⁠よって、60日をかけ、イランの核開発計画や対イラン制裁緩和、ホルムズ海峡の管理を含む複雑な問題に取り組むことになるが、双方が​互いの意図を信用していない状況下で、最終的な合意に達する​ことは、一層⁠難しい可能性があると、関係筋やアナリストは指摘する。

ワシントンのシンクタンク、中東研究所のアレックス・バタンカ氏は「米・イラン政府は、同じ文書を巡り異なる解釈をしてい⁠るよ​うだ」と指摘。「イランは曖昧(あいまい)な点を交渉材​料にするだろうし、米国は核問題に関する譲歩を取り付けるまで圧力を維持するだろう」とし、今後の協議​では「仲介者が引き続き中心的な役割を果たすだろうが、困難を伴うだろう」と述べた。