
[アンカラ 8日 ロイター] – フランスのマクロン大統領は8日、ウクライナ支援国で構成する「有志連合」の首脳会合を13日に開催し、新たな防衛協力策や共同軍事演習を発表する考えを明らかにした。欧州が自らの安全保障に対する責任を一段と強めていることを示す機会をアピールする狙いだ。
マクロン氏の説明では、会合には約35カ国の首脳が参加する見通し。ロシアによる制裁逃れに利用される「影の船団」への対策や、ウクライナ向けの新たな軍事能力の提供、防衛産業の動員拡大、支援国間の作戦面での協力強化などを協議するとしている。
欧州の戦略的自立を提唱してきたマクロン氏は、ロシアのウクライナ侵攻や米国の長期的な軍事関与を巡る不透明感を背景に、欧州各国が北大西洋条約機構(NATO)内にとどまりながら独自の防衛力強化を進めていると指摘した。
マクロン氏は2019年にNATOが「脳死状態」にあると発言し、加盟国間で論争を呼んだ経緯がある。当時は戦略的な連携不足や、トランプ米大統領の予測困難な対応を問題視していた。
しかし今回、マクロン氏は欧州各国による防衛費増額や、NATO内での欧州の役割拡大、防衛産業基盤の強化など、自身が主張してきた政策が実現しつつあるとの認識を表明。「欧州が防衛支出を増やすのであれば、欧州の防衛産業を支援すべきだ。単に域外の装備品を購入するためであってはならない」と述べた。
さらに欧州は独自のミサイル防衛システムや長射程精密攻撃能力、早期警戒ネットワーク、人工知能(AI)を活用した指揮統制システムの整備を進めていると強調した。
一方で米国のNATO関与を巡る懸念については、トランプ氏が非公開協議の場で同盟への支持を改めて表明したと言及した上で「米国は負担の一部を欧州に移そうとしているが、それは正当なことだ。欧州はそれに応じて体制を整える必要がある。誰かに求められるからではなく、自らのために取り組むべきだ」と語った。
マクロン氏は就任以来、NATOにおけるフランスの役割拡大と、同盟内での「欧州の柱」の強化を進めてきた。ロシアのウクライナ侵攻後は、財政圧力が高まる中でもフランスとしてNATOの目標に沿った防衛支出を維持し、東欧での軍事的な基盤を拡大。ルーマニアやバルト3国に部隊を展開しているほか、欧州諸国との核抑止力分野での協力も推進してきた。
またマクロン氏は、フランスがフィンランドとスウェーデンとともにフィンランドでのNATO部隊ローテーションに参加すると発表した。