中道改革連合は10日の衆院本会議で、皇室典範改正案に最終的に賛成した。皇族数確保の重要性に加え、与野党の対決構図を避けるための決断だったが、党内から不満も上がり、採決では複数の退席者も出した。

 中道改革の小川代表は、本会議の採決に先立つ党会合で「100点満点の回答、解決ではない。歴史的な審議、採決に理解をお願いしたい」と呼びかけた。

 中道改革は元々、衆参両院の正副議長が取りまとめた「立法府の総意」に賛同していた。改正案について皇族の養子の子に皇位継承資格を与える規定が総意から外れると批判していたが、その是非について検討することを妨げないとの答弁で矛を収めた。「天皇陛下は国民統合の象徴で、国会で分断が生じないようにしたい」(階幹事長)との姿勢を重視した。

 ただ、党内の元立憲民主党議員には、野田佳彦・元首相を中心に養子の制度化などへの反発が根強かった。丁寧な党内議論で党見解をまとめたものの、執行部の決断は不満も残した。

 野田氏は改正案に賛成したが、本会議後に国会内で「私にとっては敗北だ。至極、残念な結果だ」と記者団に語った。「本来ならば反対すべきだが、火中の栗を拾ってくれた執行部の邪魔をするわけにいかないと思い、党の決定通りに行動した」と説明した。

 海外渡航中で本会議を欠席した西村智奈美副代表は、自身のX(旧ツイッター)で「改正案に反対です」と表明した。早稲田夕季副代表のほか、有田芳生、神谷裕、野間健の3氏は採決前に退席した。

自民議員が欠席 船田氏・村上氏ら

 自民党では、船田元・元経済企画庁長官や村上誠一郎・前総務相らが皇室典範改正案の採決が行われた衆院本会議を欠席した。

 船田氏は海外渡航中だったが、7日付のメールマガジンで、改正案が養子に生まれた男子が皇位継承資格を持つとした点などについて「議長のもとの(立法府の総意の)合意内容にはない」と批判していた。村上氏は体調不良を理由に欠席したが、周囲には改正案の内容に苦言を呈していた。

参院特別委 委員長に自民・松山氏

 参院は10日の本会議で、皇室典範改正案を審議する特別委員会の設置を正式に決めた。引き続き開かれた特別委で、委員長に自民党の松山政司参院議員会長を互選した。

 審議はテレビやインターネットで中継される方向となった。自民は公開に消極的だったが、野党の反発を受けて軌道修正した。

 特別委の名称は「皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会」。委員は計25人で、各会派の人数に応じて割り当てられた。参院は少数会派が多いことから、委員を出せない少数会派にも出席を認める。短時間の質疑も許可する方向で調整している。

 ◇…特別委員長…◇

 【皇室典範改正】松山政司氏(まつやま・まさじ)福岡。党参院議員会長。明大商。当選5回。67歳。(自民、旧岸田派)