▽NY市場サマリー(10日)円・利回り上昇、S&P続伸<ロイター日本語版>2026年7月11日午前 6:13 GMT+9
<為替> 円がドルのほか、ユーロや英ポンドなどに対しても上昇した。片山さつき財務相兼金融相が年金基金の投資に絡む発言をしたことが引き続き材料視されている。
終盤の取引で円は対ドルで0.44%高の161.67円。一時は161.26円を付けた。ただ、週間ベースではドルが依然として円に対して約0.2%高い水準にある。
片山氏は10日の閣議後会見で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を含む年金基金による国内金融資産への投資拡大を促す施策の検討を進める考えを表明。日本経済が超低金利状態から脱し、株式市場も堅調に推移しているとした上で、国民が「成長の果実」を受けられるようにすると強調した。
円の上昇は広範な通貨に及び、対ユーロで約0.5%、対英ポンドで約0.5%上昇。10日の発言が伝わるまで円相場は約40年ぶりの安値圏で推移しており、政府・日銀による為替介入の可能性への警戒感が続いていた。
市場では中東情勢も引き続き注目を集めている。この日はトランプ米大統領がイランが協議の継続を求めてきたため応じたと明らかにすると同時に、両国が6月に合意した停戦は「終わった」とも強調。 米国との協議でイランの首席交渉官を務めるガリバフ国会議長は、先月署名された戦闘終結に向けた覚書(MOU)に米国が違反すれば、イランは「全面的な防衛」に踏み切る用意があると述べ、イランの降伏によって戦闘が終結することはないとの考えを示した。
こうした中、カタール代表団が10日にイランを訪問したほか、イランのアラグチ外相が11日に外交代表団を率いてオマーンを訪問すると報じられるなど、緊張緩和に向けた外交活動が活発化している。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.03%高の100.94。週間では約0.1%上昇した。
ユーロ/ドルは0.11%安の1.1416ドル。
英ポンド/ドルは0.06%安の1.3397ドル。ポンドは一時、6月15日以来の高値となる1.3451ドルまで上昇した。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りが上昇した。米・イラン間の緊張再燃に伴いホルムズ海峡の航行に混乱が生じる中、原油価格の上昇がインフレ圧力を強めるとの懸念が広がった。 トランプ大統領は10日、イランが協議の継続を求めてきたため、それに応じたと明らかにした。同時に、両国が6月に合意した停戦は「終わった」と強調した。 ホルムズ海峡の1日当たりのタンカー通航量は、紛争激化に伴い全体的に減少したことがデータから示された。今週の攻撃以前は、1日当たりのタンカー通航量は平均40隻と、戦争開始以降で最高水準に達していた。 CMEのフェドウオッチによると、米金利先物市場は、今月開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの確率は31.5%とみており、前日の約24.6%から上昇した。10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)上昇の4.569%。同利回りは8日に7週間ぶりの高水準を付けていた。過去2週間では約20bp上昇し、5月中旬以降で同期間としては最大の上昇幅となった。30年債利回りは1.8bp上昇の5.071%。こちらも8日に7週間ぶりの高水準を付けていた。 2年債利回りは5bp上昇の4.212%。同利回りも8日に2週間ぶりの高水準を付けていた。 2年債と10年債の利回り格差は35.3bpと、前日終盤の37.2bpから縮小した。
米金融・債券市場:
<株式> S&P総合500種(.SPX), opens new tabが続伸し、最高値まであとわずかに迫る水準で取引を終えた。来週から本格化する四半期決算シーズンに注目が集まる中、韓国のSKハイニックス(000660.KS), opens new tabがナスダック市場に上場を果たしたことでメモリー半導体メーカーの先行きを巡る楽観が広がった。
SKハイニックスは10日、米ナスダック市場に上場した。同社の米国預託証券(ADR)の初値は170ドルと、公募価格の149ドルを14%上回り、人工知能(AI)ブームの恩恵を受けると期待される企業への投資家の需要が引き続き旺盛な状況を示唆した。
トランプ大統領が交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランが協議の継続を求めてきたため、それに応じたと述べ、同時に、両国が6月に合意した停戦は「終わった」と発言したことで相場は上げ幅を拡大した。
来週は米大手銀行の決算発表で第2・四半期の決算シーズンが幕を開ける。LSEGのI/B/E/Sによると、アナリストはS&P500種構成銘柄の利益が前年同期比24%急増すると予想しており、ハイテク企業がその大部分をけん引すると見込んでいる。
この日は、S&P500の主要11業種のうち8業種が上昇。情報技術(.SPLRCT), opens new tabが1.65%高で首位となったほか、一般消費財(.SPLRCD), opens new tabも1.46%上昇した。
フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabは0.06%高と、3日続伸した。
個別銘柄では、メタ・プラットフォームズ(META.O), opens new tabが6%急伸し、4月以来の高値を記録した。
モデルナ(MRNA.O), opens new tabは約11%急落し、1年超ぶりの大幅安となった。
デルタ航空(DAL.N), opens new tabは第3・四半期の利益が市場予想を上回るとの見通しを示したにもかかわらず、1.8%下落した。
S&P総合500種では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.1対1の比率で上回った。
米取引所の合算出来高は145億株。直近20営業日の平均は224億株。
米国株式市場:
<金先物> 中東情勢の悪化による原油価格の上昇がインフレ懸念を強め、米金融政策の引き締め観測が高まる中、金相場は下落し、週次でも軟調となった。
金現物は午後2時10分(日本時間午前3時10分)時点で0.4%安の1オンス=4103.23ドル、米金先物8月物の清算値は0.7%安の1オンス=4113.70ドルだった。
米国とイランの緊張再燃が主因とされ、投資家は金や銀の保有を控える傾向が強まっている。CMEフェドウォッチによると、市場が織り込む9月の利上げ確率は約69%で¥、米連邦準備理事会(FRB)6月会合の議事要旨でもインフレへの警戒感が示された。来週発表されるインフレ指標やFRBのウォーシュ議長の証言が注目されている。
NY貴金属:
<米原油先物> 米国時間の原油先物は下落した。米国とイランの緊張が最終的には後退し、ホルムズ海峡での輸送が再開されるとの期待が広がった。
清算値は、北海ブレント先物が0.29ドル(0.38%)安の76.01ドル。米WTI先物は0.67ドル(0.93%)安の1バレル=71.41ドル。週間ではブレントが約5.5%、WTIが約4%上昇した。
プライス・フューチャーズ・グループのシニアアナリスト、フィル・フリン氏はメモで、ホルムズ海峡が事実上再び封鎖されたにもかかわらず、米軍が同海峡の長期封鎖を許さないとの確信から相場が下落しているのは驚きだと指摘した。