工藤彩香
【ベルリン=工藤彩香】ドイツのシュレーダー元首相が7日、モスクワで開かれたロシアのプーチン大統領の誕生日会に出席し、独国内で「恥さらしだ」などと批判が広がっている。独政府報道官は9日の記者会見で、メルツ首相が「非常に憤慨している」と明らかにした。プーチン大統領(右)の誕生日会に出席したシュレーダー元首相=ロイター
露大統領府によると、プーチン氏はシュレーダー氏のモスクワ滞在を報道で知り、自宅に招いた。会話の内容は明らかにされていない。露大統領府は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、シュレーダー氏をプーチン氏の「旧友」と紹介。笑顔の両氏ががっちりと握手する写真を公開した。

独政府報道官は記者会見で、「ロシアによるウクライナ侵略の全責任はプーチン氏にある。彼の命令が毎日、犠牲者や引き裂かれた家族らに計り知れない苦しみをもたらしている」と強調。メルツ氏は、こうした中でシュレーダー氏がプーチン氏と共に誕生日を祝ったことを「極めて非道徳的だ」と批判したという。
1998年から2005年にかけて独首相を務めたシュレーダー氏を巡ってはプーチン氏が5月、ウクライナ侵略を巡る欧州側の交渉相手として言及した。露メディアは今月2日、独小売り大手グローブスがロシアで展開する事業の運営企業の監査役会に加わったと報じた。今回は経営陣との面会などのために訪露したという。
ロシアでは、欧州企業のロシア資産が相次いで露側の一時管理下に置かれており、シュレーダー氏の起用はドイツ資産の保護などが狙いとみられている。