[東京 25日 ロイター] – 自民党は25日午前、都内のホテルで第85回党大会を開いた。安倍晋三首相(党総裁)は、憲法改正への決意を示し「いよいよ結党以来の課題である憲法改正に取り組むときがきた」と述べた。同時に学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書書き換え問題について、行政の長として責任を痛感していると陳謝した。

安倍首相は、憲法改正問題で「自衛隊をめぐる意見論争に終止符を打つ」と述べ、改憲発議への決意を表明した。二階俊博幹事長も、憲法改正推進本部がまとめた自衛隊の明記など4項目の改憲条文案をもとに「衆参の憲法審査会で議論を深め、各党や有識者の意見も踏まえ憲法改正原案を策定し、憲法改正の発議を目指す」と語った。

一方、森友関連文書の書き換え問題で、安倍首相は演説の冒頭で「森友問題の書き換え問題をめぐり大変ご心配おかけ、申し訳ない。国民の行政に対する信頼をゆるがす事態となっており、行政の長として責任を痛感している」と述べた。二階幹事長は、来年の統一地方選、参院選に向け「必勝態勢の構築を進めて行くことが大事な課題」とも強調。

森友文書問題を念頭に「国民から政治、行政に厳しい目が注がれているのは承知の通り。政治は国民のものとの原点に立ち、政権政党としての自覚と矜持をもって信頼回復に向け、党員党友一丸となって行動して行こう」と呼びかけた。

来賓として参加した公明党の山口那津男代表は「今国会では行政の信頼を揺るがすような事態が明らかになり、国会が軽視されている状況のなかで国民が注視している」と指摘。「自公が政権奪還した時の合意に、決しておごることなく真摯に取り組むとある」と注文をつけた。会場に近い品川駅前は、政権支持と不支持のデモ隊が入り乱れ、警備当局が厳戒態勢を敷く中で開催された。