内戦が続くシリアで化学兵器が使われたという疑惑をめぐって、アメリカがアサド政権に対する軍事攻撃を強く示唆する中、内戦の情報を集めている人権団体は、アサド政権の軍が攻撃を警戒して主要な軍事基地から退去したと伝えました。

アメリカのトランプ大統領は、アサド政権が今月7日に首都近郊の反政府勢力の拠点に対し、化学兵器を使ったという見方を示し、軍事攻撃も含め対応を検討しています。11日にはツイッターで、アサド政権の後ろ盾のロシアをけん制し、「ミサイルが行くぞ」と攻撃を強く示唆しました。

こうした中、内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」は11日、複数の信頼できる筋からの情報として、アサド政権の軍が攻撃を警戒して、支配下にある主要な軍事基地や空港から退去したと伝えました。

アサド政権は化学兵器の使用を一貫して否定していますが、アメリカのトランプ政権は去年4月、アサド政権がシリア北部で化学兵器を使用したと断定し、シリア中部の空軍基地1か所を巡航ミサイルで攻撃しました。

今回、アメリカは単独でなく、イギリスやフランスとも連携しており、アサド政権は警戒を強めていると見られます。