[ニューヨーク 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)が2020年まで利上げを継続するとの見方からドルが買われ、対円で9カ月ぶりの高値を付けた。イタリア予算案を巡る懸念がユーロの重しとなったことことも作用し、ドル指数は2週間ぶりの水準に上昇した。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは7─9月は0.5%上昇し、四半期ベースで2四半期連続での上昇となる見通し。ドルは過去6カ月で約6%上昇している。

タイラー・グローバル・ビジョン(ニューヨーク)のプレジデント、ジョン・タイラー氏は、「ドル相場を押し上げている要因には変わりがない」とし、「世界経済に減速の兆しが見られる中、通商戦争も継続している。こうした状況下で米国の金利が上昇していることは、先進国通貨であれ、新興国通貨であれ、循環に敏感な通貨に対する主要なバリアとなる」と述べた。

終盤の取引でドル指数は0.3%高の95.144。3日続伸となった。ドル/円JPY=は113.66円と、9カ月ぶりの高値を更新。終盤の取引では0.2%高の113.59円となっている。

この日発表の米経済指標は、8月の個人消費支出が前月比0.3%増となったほか、9月の米ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)が100.1と今年3月以来の高水準となり、米経済が安定的な成長軌道に乗っていることが示された。

ユーロ/ドルEUR=は一時、2週間ぶりに1.16ドルを下回った。終盤の取引で0.2%安の1.1613ドルとなっている。

イタリア連立政権は前日、来年度の予算案を巡り財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2.4%とすることで合意。同予算案を巡る懸念が重しとなり、ユーロは前日の取引で約2カ月ぶりの大幅な下落となっていた。市場関係者は、イタリアの債務拡大を巡る懸念はなお払拭されていないとしている。

ドル/円
NY終値 113.68/113.71
始値 113.42
高値 113.70
安値 113.34

ユーロ/ドル
NY終値 1.1608/1.1610
始値 1.1579
高値 1.1629
安値 1.1570