シンガポールで開かれた日本や中国など16か国が参加するRCEP=東アジア地域包括的経済連携の閣僚会合は、関税の撤廃をめぐってインドが慎重な姿勢を崩さなかったことなどから目標としていた年内の実質妥結は見送られることになりました。

日本や中国、インドなどアジア太平洋の16か国が参加するRCEPの閣僚会合は、12日、シンガポールで詰めの協議が行われました。しかし、関税の撤廃をめぐり中国からの輸入品の増加を懸念して撤廃の割合を低く抑えたいインドが慎重な姿勢を示すなど、各国の意見の隔たりは埋まりませんでした。

このため経済産業省幹部によりますと各国は、目標としていた年内の実質妥結を見送り、改めて来年中の完全妥結を目指すことで一致したということです。各国は、14日開かれるRCEPの首脳会議でこうした内容を協議する見通しです。

RCEPをめぐってはアメリカのトランプ政権が保護主義的な政策を進める中、合意に向けた機運が高まっていました。各国は改めて来年中の完全妥結を目指す見通しになりましたが、交渉を失速させずに、残された意見の隔たりをどこまで埋められるかが今後の大きな課題になります。